home_iconseprator役立つ記事sepratorダイエットsepratorなぜ年齢とともに痩せにくくなるの?

なぜ年齢とともに痩せにくくなるの?

歳を重ねるにつれて、若い頃と同じようなダイエットや運動をしても体重が落ちにくくなったと感じる人は多いのではないでしょうか。

20代の頃は少し食事を減らしたり、軽くストレッチするだけですぐに効果が出ていたのに、30代になってからは痩せるどころか、ちょっとおやつを食べるだけですぐに太るようになった、、、というお声をよく耳にします。

単純に「年を取ったから」という感覚的なものではなく、基礎代謝の低下やホルモンバランスの乱れ、生活習慣の乱れなど、脂肪の蓄積にはさまざまな要因が関連しています。

本記事では、年齢とともに痩せにくくなる要因を解説していきます。

年齢とともに低下する基礎代謝

加齢に伴って痩せにくくなる大きな要因の一つが、基礎代謝の低下です。
20代までは、体が筋肉量を維持し、何もしていない状態でもエネルギーを活発に消費しますが、加齢によって筋肉量が減少し、その結果として基礎代謝が下がることで、消費されるカロリーが減り、痩せにくくなります。

とくに、30代以降は筋肉量は1年に約1~2%減少し、これに伴い1日あたりの基礎代謝も落ちることが確認されているため、筋肉はエネルギー消費の多い組織ですが、加齢とともに筋肉量が減少し、基礎代謝の低下に伴い、脂肪燃焼が促進されません。
なかでも、運動習慣がない人は筋肉の減少が早く進みます。30代以降も若い頃と同じ食事量を続けることは、無意識に消費エネルギーが減少しているので、脂肪が蓄積されやすい状態になります。

加齢による筋肉減少が著しくなる50歳以降では、特に注意が必要です。

研究によると、筋力トレーニングを行うことで、加齢に伴う筋肉の減少を防ぐだけでなく、筋肉量を増加させることができるため、代謝が低下しにくくなることが示されています。
特に、レジスタンス運動(重量を使ったトレーニング)は筋肉量の維持と増加に効果的です。
抵抗型運動トレーニングにより介入群の筋肉幹細胞含有量が大幅に増加し、この結果は男性と女性で同様の結果が得られています。
高齢者の骨格筋幹細胞に対する抵抗トレーニングの効果:系統的レビューとメタ分析 https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10542207/

年齢とともに基礎代謝の低下を防ぐことはできませんが、代謝の低下を緩やかにすることはできます。
身体を大きく使う、階段を登る、などジムに行って筋トレする方法以外にも筋肉量を落とさずに基礎代謝を維持することは可能です。
日常生活で身体を動かす意識をする習慣をつけることが効果的です。

ホルモンバランスの変化

加齢によるホルモンバランスの変化も、痩せにくくなる大きな要因です。
成長ホルモンやテストステロンなど、代謝を高めるホルモンが加齢と共に減少します。
特に女性の場合、閉経に伴いエストロゲンが減少するため、脂肪代謝を促進し、体脂肪を抑える働きがあるホルモン(エストロゲン)が減少することで体脂肪が増えやすくなります。

そのため、ホルモンバランスの変化により乱れ始める40代を過ぎると、痩せにくさが顕著になります。

女性:40代から更年期に向けてエストロゲンが減少し、脂肪が腹部にたまりやすくなります。
男性:35歳を過ぎるとテストステロンの分泌が低下し、筋肉量の減少や内臓脂肪の蓄積を招きます。

加齢によるホルモン変化(特にテストステロンやエストロゲンの低下)が、内臓脂肪の蓄積に関与していることも判ってきています。

2021年の研究によれば、ホルモンバランスの変化がインスリン抵抗性の悪化や食欲調整ホルモンの不均衡に影響し、痩せにくさをさらに増すことが報告されています。

特定のホルモン不均衡が体脂肪の減少に与える影響を、主に肥満や代謝異常を抱える成人を対象に分析しています。対象者は、肥満や代謝疾患(糖尿病、インスリン抵抗性)を持つ成人が中心で、性別や年齢によるホルモンの違いに焦点を当てました。

・肥満成人:BMIが30以上の人々が主な対象。
・代謝障害のある人:インスリン抵抗性や糖尿病患者が含まれています。
・性ホルモンの変化が著しい群:閉経後の女性や、テストステロン低下が見られる男性も対象に含むホルモンバランスが乱れることで、インスリン感受性が低下することも体重が増えやすく、痩せにくくなる。

インスリンは、血糖値を下げるホルモンですが、加齢により細胞がインスリンに対して鈍感になるインスリン抵抗性の悪化が示唆された
高ストレス状態にある被験者は、コルチゾールの慢性的な上昇が確認され、特に腹部脂肪の蓄積が多い傾向がある
閉経後の女性では、エストロゲンの低下が内臓脂肪の蓄積に関連しており、テストステロンの減少は男性において筋肉量の減少と代謝低下を招きやすい
レプチン抵抗性が進行している肥満者は、満腹感を得にくく、食欲が過剰に刺激される一方で、食事制限に伴うグレリンの上昇により空腹感を刺激しやすい傾向が見られる
Endocrine Changes in Obesity https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK279053/

このような研究結果が多くみられ、年を重ねることにより体内で分泌されるホルモンバランスが崩れることは、脂肪の蓄積を招きやすいと考えられます。
さらに、体脂肪のなかでも皮下脂肪よりも内臓脂肪が増加しやすい傾向があります。

食欲に関連するホルモンの分泌も関連があります。
年齢とともに食欲を抑えるホルモン「レプチン」の感受性が低下しやすく、食欲を刺激する「グレリン」の分泌が増える傾向があります。特に高齢者はレプチン抵抗性が進行しやすいことが確認されています。
そのため、体はエネルギーを十分に摂取していても、「まだ足りない」と感じやすくなり満腹感が得られにくく、ついつい食べてしまう、、、という負のスパイラルに陥ります。

腸内環境の変化

加齢によって腸内の善玉菌が減少することも、太りやすくなる一因です。
腸内環境が悪化すると、便秘や代謝の低下を引き起こし、脂肪がたまりやすくなります。
若い頃は、腸内細菌が多様のため、代謝や消化を助ける菌が豊富に存在しますが、加齢によって腸内細菌の多様性が低下し、特定の有益な菌が減少することが判っています。

腸内細菌の多様性が減少することで、消化機能が低下し、栄養素の吸収効率が悪くなるため、体内のエネルギー利用が非効率になり、脂肪蓄積が増加しやすくなります。
また、悪玉菌の増加は、腸内の炎症を引き起こし、代謝機能の低下にもつながることが考えられます。

年齢とともに痩せにくくなるのは、腸内環境の変化も関与している可能性が高く、腸内の善玉菌が減少、代謝や免疫に悪影響を与えることがあります。
腸内環境の悪化は、便秘や脂肪代謝の低下に繋がり、痩せにくくなります。

対策としては
【食物繊維の摂取】
食物繊維が豊富な食材(全粒穀物、野菜、果物)を摂取することで、腸内細菌の多様性を保ち、善玉菌の増加を促進します。

【プロバイオティクスの摂取】
ヨーグルトや発酵食品など、プロバイオティクスを含む食品を摂取することで、腸内フローラのバランスを整えることが可能です。特に乳酸菌やビフィズス菌は、腸内環境を改善し、代謝機能の向上に役立つ効果が期待できます。

【抗炎症食の導入】
オメガ3脂肪酸やポリフェノールなど、抗炎症作用のある食品(魚、ナッツ、ベリー類)を積極的に摂取することで、腸内の炎症を抑制し、代謝機能を改善する効果があります。

腸内環境を整えるには、食材選びが重要になってきます。
脂っこいものや刺激的なものは内臓に大きな負担がかかるため、毎食は難しくても1日のトータルとして
どんな食材・栄養を取り入れているかなど食生活の見直しも体重コントロールには欠かせません。

まとめ

年齢とともに痩せにくくなるのは、基礎代謝の低下やホルモンバランスの変化、ストレスや睡眠不足、インスリン感受性の低下など、複数の要因が絡み合っています。

昔と同じ生活習慣でも、太りやすくなったと感じる場合は
基礎代謝の低下(筋肉量やホルモンバランス乱れによる脂肪蓄積など)が大きな要因になるため
消費エネルギーを増やすために、運動量を増やしたり、筋肉量を増やすことで体型を維持しやすい体質にすることは可能です。

運動習慣や食生活を見直すことは、ダイエットだけでなく、身体の体内にも好影響があります。
健康的な生活習慣は、余分な脂肪を燃焼させ外見を健やかにするだけでなく、内臓の働きが正常化することで、細胞の活性化によりアンチエイジング効果も見込まれます。
特に40代以降は、筋肉量の減少が大きく見られるため、筋トレによる筋肉への刺激が効果的です♪

痩せにくくなる要因が複数の要因のため、自分の生活習慣やホルモンバランス、腸内環境など体内で起きている変化は中々感じられにくいものです。
だからこそ、健康的な習慣を継続することが大切で、今一度、自分の身体への変化を見つめてみると面白い発見があるかもしれません♪

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