ケトジェニックダイエットという言葉を聞いたことはありませんか?
近年注目している食事法の一つで
エネルギー源を糖からではなく、
脂質(ケトン体)を原料にした代謝サイクルに変える
ダイエット法のことを「ケトジェニックダイエット」といいます。
糖質からエネルギーが作れなくなったときに、
体が脂質をエネルギー源として使いだす状態を
《ケトーシス状態》といいます。
糖質を極度に制限することで、
脂質をエネルギー源として利用するケトン体と呼ばれる物質が分泌され
身体をケトーシスの状態に持っていき
脂質を利用する能力が高まります。
「高脂肪・低糖質」の食事内容で、糖質の摂取を控えれば
高脂質のものは、お腹がいっぱいになるまで食べてOKなので
空腹感が耐えられないダイエッターさんが目を光らせている食事方法です。
ケトン体の影響は?
ケトン体とは、
アセト酢酸、β-ヒドロキシ酪酸、アセトンの総称で、
これらはいずれも脂肪酸やアミノ酸の代謝物であり、肝臓で産生されます。
ケトジェニックダイエットは、糖質を殆ど補給しない為、
肝臓でこのケトン体の産生が高まり、脂質を有効利用できる身体になります。
つまり、簡単にいうと
身体を動かすエネルギー源が脂質となるため、体内の脂肪分解が促されます。
これだけ聞くと、体脂肪を落とすには
ケトジェニックダイエットがいいのでは!と思う方も多いと思いますが
食事内容が「高脂肪・低糖質」であり、
健康的な食事に推奨される方法とは、異なるため健康を害するリスクもあります。
ケトーシスにスイッチする方法(ケトン体の産生)は、
糖質の供給を最低限する(=糖質が含まれる1食20グラム以下)ことです。
基本的に1日の糖質量を50g以下にする必要があります。
肝臓で作られたケトン体は、肝臓から放出されて血液の流れに乗り、
エネルギーを作り出すための材料として使われるため
ケトーシス状態は、体内の脂肪細胞を分解し、脂肪燃焼効果があります。
しかし、ケトン体が体内で増えるということは
生命を維持するための防御である
栄養がSOS状態のため、糖質の代理で脂肪をエネルギーとして利用されている
ということを認識しておかなければなりません。
ケトジェニックダイエットのメリット・デメリット
ケトジェニックダイエットは脂肪を分解しエネルギー源とするため
体脂肪を落としやすい傾向がありますが
糖質を極度に控える食事制限のため、デメリットもあります。
【デメリット】
- ツーンとした体臭
- 食べ物が制限される
- 倦怠感やだるさがある
- ホルモンバランスが乱れる
ケトン体がアセトンという物質を含んでいるため、体臭がきつくなり気になりますが
ケトーシス状態に入っている証とも言えます。
臭いの元になっている「ケトン体」は酸性のため、
アルカリ性の食材を積極的に摂取したり、水分補給を積極的に行うことで
匂いを和らげる事ができます。
食事制限を間違ったやり方で実践すると、
(良質な脂質、必須脂肪酸が少ない場合など)
ホルモンバランスを変えてしまい、ホルモン機能不全により、イライラしたり
栄養失調や便秘につながる恐れもあります。
【メリット】
- 体脂肪減少しやすい
- 空腹を感じにくい
- カロリー制限がない
- 脂肪を効率よく燃焼できる
ケトジェニックダイエットでは、糖質摂取を制限し、脂肪をエネルギー源とするため
体脂肪の分解が優位に行われます。
さらに、ダイエットの基本である
摂取カロリー<消費カロリー を考えなくていいので
お腹いっぱいになるまで食べてOKです。
しかし、糖質は食材に割合は異なりますが
ほとんどの食材に含まれているため、たくさん食べる=無意識に糖質を摂っている
可能性があるため注意しましょう。
13の研究を基にしたメタ・アナリシスの
低糖質を低脂質の食事に対する研究結果では
低糖質の食事をする者と低脂質の食事をする者の2つのグループに分け、
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23651522/ 長期的な減量のための超低炭水化物ケトジェニックダイエット
実際にダイエットを行い、結果低糖質の方が体重が減少し、中性脂肪が減った。
低糖質ダイエット群(一日の糖質摂取量50g以下)は
体重の減少が低脂肪群よりも大きく、中性脂肪や血圧が低下していた
ケトジェニックダイエットは、てんかんの治療として開発されたのが1924年であり、
一般的に広がり出したのは2000年以降なので
長期的なエビデンスがまだ出ていません。
安全の研究がまだ十分に行われていないこともあり、
自己責任で取り組むことが必要があります。
長期的なケトーシス状態は
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6251269/#ref20
栄養失調、心血管疾患、老化の促進、肝臓の負担などを誘発するかもしれない
ケトジェニックダイエットを行う場合
ケトジェニックダイエットをする前に、
調味料に含まれる糖質の量はしっかり理解しておきましょう。
食材はOKでも、味付けで糖質を多めに摂ってしまい
ケトーシスに中々入れない人もいます。
【糖質が多い調味料】
・ハチミツ:7.9g(10 gあたりのおよその糖質量)
・みりん:5.4g
・すし酢:3.3g
・コチュジャン:4.9g
・カレールー:4.1g
・中濃ソース:3.0g
・ケチャップ:2.6g
・チリソース:2.6g
・ウスターソース:2.6g
およそ、大さじ2/3程度に含まれる糖質量です。
砂糖やみりんは、糖質が多めなので要注意です。
基本的な味付けは
・塩コショウ
・お酢(穀物酢)
・マヨネーズ
・豆板醤
・ナンプラー
などがおすすめです!
ケトジェニックダイエットによる食事制限では
カロリーに関しては気にしなくてもいいので、調味料もカロリーオフを選択する必要はありません。
ドレッシングを選ぶときも、カロリーではなく
糖質量に着目して選びましょう。
体質には、ケトジェニックダイエットが合わない可能性もあり
持病のある人や体調不良がある人が自己流で取り組むには、危険なダイエット法です。
通院している方は、医師に相談してから取り組むようにしてください。
まとめ
ケトジェニックダイエットとは、
「低糖質・高脂肪」で脂肪をエネルギー源としている状態(ケトーシス状態)の食事療法です。
体脂肪を燃焼しやすく、短期間で体重が減ったり
見た目が痩せるので、魅力的に感じている方も多いと思います。
ケトン体が分泌されるケトーシス状態に身体がなるまでは
個人差はありますが、時間がかかり、空腹感もあり苦しい状態です。
人間のエネルギー源は糖質です。
その糖質を制限し、身体が生命維持のためにSOSを察知し
脂肪を燃焼させるケトン体で身体を動かすエネルギーを作り出しているので
健康的な食生活ではありません。
メリットもありますが
注意点やデメリットをしっかり把握した中で
ケトジェニックダイエットを選択してください。
きつい食事制限や激しい運動ではなく、
食事と運動などの生活習慣の改善に長期的に取り組むことが大切です。
我慢やストレスを抱えて行うのではなく
自分に合った方法のダイエット・ボディメイクを見つけ出してみてください。