近年は日光に含まれる紫外線の害が広く知られるようになり、
日焼け止めを塗ったり、外出を控えたり
日光を避けるためにしっかりと対策をされる方が増えています。
しかし、日光を浴びることは
私たちの体の中でビタミンDが生産されたり
ホルモン分泌が促されたり、私たちの身体をスムーズに働かせるために
とてもいい影響を与えます。
本記事では、日光が健康にどのような効果があるのか
お伝えしていきます。
日光浴とは?
日光浴とは、太陽光を身体に受けることを指し
植物にとっては光合成の上で重要ですが、
動物・人間にとっても、光線に含まれるエネルギーを使って身体の成長や代謝に
必要な物質の合成を行うため、適度な日光浴は健康維持に役立ちます。
日光でなく、照明の光でも効果はあるのではないか?
と疑問に思う方もいると思います。
太陽の光は、私たちが思っているよりも、とても強く
一般的な家庭用の蛍光灯は500ルクス程度と言われており、
太陽光はその10倍から100倍の照度があります。
太陽の光は、曇りの日でも1万ルクス程度あると言われているので、
曇りの日も外に出ることで、強い光を浴びている状態なのです。
ガラス越しでも日光浴の効果はありますが、
ガラスを通すことで光量が多少なりとも減少するため
できれば直接日光を浴びるのがおすすめです。
朝に太陽の光を浴びることは、体内時計をリセットする効果や
交感神経が刺激され、脳や自律神経、筋肉が自然に覚醒するため、
心地よい1日のスタートを切ることがをできます。
メリハリのある1日を送るためにも、
起きたらカーテンを開け、日光を浴びることがおすすめです。
日光とビタミンDの関係は?
太陽光線には、体内のビタミンDの合成を活性化させる力があります。
つまり日光を浴びることで、体内のビタミンD量を増やすことが可能です。
ビタミンDは食事のみから十分な量を摂取するのは難しく
適度に日光を浴びることで、身体の機能がスムーズに働くようにサポートしてくれます。
ビタミンDには
・骨を丈夫にする(骨粗鬆症の予防)
・認知症率の軽減
・免疫機能の向上
・糖尿病予防
などの効果が見込まれているため、健康を維持するためには欠かせない栄養素です。
ビタミンDを作るには、皮膚に直接紫外線を浴びる必要があります。
しかし、長時間紫外線を浴びることは、かえって身体の細胞を壊してしまうため、
1日15~30分程度が目安です。
日焼け対策として、手のひらの日光浴がおすすめです。
WHOは、間違いなく少量の日光が健康にとって大事であるとし、
ビタミンDを作るための日光照射の目安として、
顔と両手両足に1週間に2~3回、夏季で約5~15分を薦めています。
・骨粗鬆症の予防
日光浴では、体内のビタミンD合成を活性化させる働きがあり
ビタミンDにはカルシウムの吸収率を高め、骨を丈夫にする作用があるため
骨粗鬆症の予防に繋がります。
・認知症率の低下
ビタミンDは脳機能を正常に保つ働きがあり、
日光浴で認知機能の低下を防ぐ効果が期待できます。
・糖尿病予防
ビタミンDには、膵臓の働きを円滑にするようサポートする役割もあります。
膵臓の働きが正常になることで、インスリン分泌が正常に行われるため
糖尿病予防に繋がります。
米国の医学誌『Dermato-endocrinology』に投稿された論文では
食事やサプリメントから摂取したビタミンDと
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24494042/ Sunlight and Vitamin D: A global perspective for health
日光を浴びた皮膚で生成されたビタミンDを比較したところ
168時間にわたって測定した血中ビタミンD3濃度に差があり
体内に2~3倍長く留まることが判明した
食事やサプリメントだけに頼るのではなく、
日光を上手に取り入れて体内で効率的にビタミンDを生成することは健康への道と判断できます。
日光とセロトニンの関係は?
日光浴がセロトニンの分泌を促すといわれています。
この理由は、網膜が光を感じることでセロトニン神経が活性化されます。
強烈な光ほど網膜への刺激も強くなるため、
光が強い太陽光はセロトニンが分泌されやすいのです。
そのため、セロトニン分泌を促すのであれば
サングラスを外し、裸眼で日光浴を行うのがおすすめです。
しかし、紫外線が強い場合、裸眼で長時間過ごすと目を痛めることがあるため
サングラスは状況によって使い分けましょう。
※太陽の光はとても強いので裸眼で太陽を直接見る行為はやめましょう
セロトニンの分泌量には限界があり、
日光浴をすればするほど無限にセロトニンが増えるわけではありません。
そのため、日光浴を長時間することは
熱中症・日焼けのリスクが高まり、シミの原因にもなるため
ほどほどの適度な時間、屋外で過ごすことを心がけましょう。
セロトニンとは脳内の神経伝達物質の1種で
脳の興奮を鎮めて精神を安定させる働きストレス軽減の効果があります。
日光浴でセロトニンの分泌が促されますが
ほかにも、幸せを感じた時や運動後にも分泌されるため
適度な運動・十分な睡眠など、生活習慣を見直すことでも向上が見込まれます!
セロトニンの原料となる、トリプトファンの摂取も重要なポイントです。
トリプトファンは必須アミノ酸の1種で、心身をリラックスさせる効果が期待できます。
主に、乳製品や大豆製品に含まれているため(牛乳、チーズ、納豆、豆腐)
栄養バランスも考えて、食事内容を意識してみましょう。
日光の浴び過ぎは要注意
日光を浴びることは、健康に好影響を与えるものだが
浴びすぎによって、身体を壊してしまうこともあります。
太陽の光を浴びることは
波長により、赤外線、可視光線および紫外線に分けられているため、
紫外線を浴びていることと同様です。
そのため、繰り返し紫外線を浴びると
日焼けによって、肌のバリア機能が低下したり
シミ・そばかすなどの色素沈着を助長し、皮膚細胞を傷つけ
皮膚、目などに病気や症状を引き起こします。
子どもの頃から長年にわたって紫外線を浴びすぎていると
白内障、免疫機能の低下などの慢性障害、
皮膚がんの発症リスクを高めるため、日焼け止めなどの対策も必要です。
ある程度の紫外線量を確保できないと
日光浴時間に対して生成されるビタミンD量やセロトニン神経の刺激が弱くなるため
土地や季節や時間帯によっても、日光浴の時間は変わります。
紫外線が非常に強くなる時間帯(昼過ぎ〜)はできるだけ避け、
午前中の日光浴がおすすめです。
長期的な健康への悪影響予防のためには、紫外線の浴びすぎには気をつけましょう。
まとめ
近年では、UVカットの長袖や日焼け止めなど数多く出回っていますが
日光浴によって、ビタミンDの合成やセロトニン分泌を促すには
直接、太陽の光を浴びることがポイントとなっています。
しかし、日焼けでシミ・しわの原因になるのは避けたいため
手のひらの日光浴がおすすめです。
手のひらだけでも十分なビタミンDが得られるので、健康と日焼け対策とも両立できます。
外出することで、無意識に日光浴ができるため
散歩や身体を動かすレジャーなど日常的に取り入れることで
より健康増進に繋がります。
しかし、長時間の紫外線を浴びることは、肌の細胞破壊に繋がり身体へ悪影響があるため、
30分以上、屋外にいる場合は、しっかり紫外線対策を行いましょう。