暑い時期は、汗をかきやすくなります。
汗は、人間の発達によって備わった機能なのですが、
現代では多くの人が運動不足な上、夏はエアコン漬けで、昔と比べて汗をかかなくなっています。
汗をかくことで、着替えや化粧直しなど、後処理が面倒くさく、あまり汗をかきたくない人も多い印象です。実際にクーラーのきいた環境で生活や仕事をする環境に慣れ過ぎてしまうと、人間の発汗機能は少しずつ衰えてしまいます。
「できれば汗はかきたくない」と汗をかくことを避けがちですが、
実際には美容や健康には汗の働きはメリットがたくさんあり、汗の機能には、生命維持の要素もあるため、人間にとって必要不可欠なものなのです。
汗の働きと汗のメリットについて、本文ではお伝えしていきます。
汗の機能
汗は、体温調節や身体の状態を維持するために重要な役割を果たす生理的な機能です。
汗をかく機能がカラダに備わったのは、サルからヒトに進化する過程で
狩りや長時間の移動により、運動量が増えました。
体温はどんどん上がっていきますが、あまりに熱くなると、特に熱に弱い脳をはじめ、カラダの組織がもちません。そこで、ほかの動物よりも効率的に熱を下げる仕組みが必要になったために
「発汗」の機能が作り出されました。ヒトが長時間運動できる能力を身につけたのは、発汗という体温調節機能が備わったおかげたと言われています。
汗は脳の視床下部という部位が、体温上昇の情報によって
汗腺に「汗を出して!」という命令を出します。
運動によって筋肉の疲労を感知センサーが働いて、発汗調節したり
緊張や興奮といった精神的なものがきっかけとなって、汗が出ることもあります。
汗は脳が指令を出すため、自分の意志で汗をコントロールすることはできません。
汗には種類があります。
「精神性発汗」緊張やストレスを感じた時にかく
「味覚性発汗」辛い物などを食べた時にかく
「温熱性発汗」運動などによって体温が上昇した時に体温調節で汗をかく
暑い時期に快適な環境に慣れたり、あまり体を動かさないなど汗をかかない生活をしていると、
汗を出す汗腺の機能が衰えていきます。
機能が低下した汗腺から出るのは、塩分などを多く含むベトベトして不快な汗になり、
急激な気温上昇に対応できず、熱中症の危険性も高くなる傾向があります。
暑さに体を慣らしていくことや、こまめな運動で体温をあげるような汗をかく習慣をつけ、
汗腺の機能を正常に働かせることが大切です。
汗の働き
汗は、身体のさまざまな役割を果たす重要な生理的な働きがあります。
汗の主な役割は【体温調節】 です。
身体が過熱すると、汗腺から汗が分泌され、皮膚の表面に現れ、汗が蒸発することで熱を奪い、身体の表面を冷やす体温を一定に保つ効果があります。
汗を出すことで、過熱や熱中症のリスクを軽減します。
さらに、汗をかくことで情緒的な調整する働きもあります。
汗は一部の感情やストレスの反応とも関連しています。ストレスや緊張が高まると、交感神経の刺激によって汗腺が刺激され、大量の汗を一気に引き起こしたり、手や足などに汗をかくことがあります。
これは、身体的な反応として精神的発汗で情緒的な調整を行っています。
汗にはデトックス効果があると思っている方が多いですが
実際は、発汗による毒素を排出するデトックス効果はあまり期待できないと判っています。
カナダにある大学の研究チームによると、普通の人が1日45分間の激しい運動を行ったとしても、
1日の発汗量は2L程度で、その汗に含まれる汚染物質は0.1ナノグラム以下しか含まれなかったそうです。
どんなに大量の汗をかいたとしても、その日体内に摂取した汚染物質の1%すら排出できないことが判明しています。人間が持って生まれた内臓には、毒素を排出する高い能力があります。
有害物質の排出でカギになるのは肝臓と腎臓の臓器がほとんどの役割を担っているため
内臓へのケア(暴飲暴食しない、アルコールを控える、栄養バランスを整える)に視点を向けたほうが
デトックスの効果は高まると考えられます。
汗をかいたら意識すること
汗には水分だけでなくミネラルも含まれているため、
汗をかいたあとには水分やミネラルの補給が大切です。たくさんの汗をかいた後には、水ではなくミネラル分を含む飲料がおすすめです。
さらに、汗をかいたらできるだけ早くシャワーを浴びて汗を洗い流す、拭き取ることが大切です。
大量に汗をかいた場合、汗に含まれる塩分の濃度が高くなり、それが刺激となりかゆみを招くことがあります。
汗をかいたまま放っておくと汗腺の詰まりの原因になり、皮膚の内部に染み込んで炎症を引き起こし、「あせも」を引き起こす要因となるため、発汗後のケアは大切です。
まとめ
汗は、体温調節の身体に備わった機能であり、とても重要な役目を果たしています。
現代では、環境が整っているため暑い時期もエアコンの中で過ごし
運動もあまりしない生活環境によって汗腺も機能不全を起こしている人が多くみられます。
体温調節がうなくいかないことで、上手に汗をかけないと体調を崩したり、
熱中症など引き起こしやすくなります。
お風呂に浸かり身体を芯から温めることや、軽い運動を行うことで
身体全体の機能が向上し、汗腺も回復していきます。
「汗」を悪いものとして捉えずに
健康と汗には繋がりがあり、積極的に汗をかく意識を
本記事で得ていただけると幸いです♪