運動は、ダイエットのみならず、健康にいいと捉えられ
医療現場でも「運動療法」において機能改善をはかるほど、身体にメリットがたくさんあります。
運動はしたほうがいい
ということは、皆さん知っていると思いますが
果たして、どういうメリットがあり、なぜ運動が健康にいい影響を与えるのか
「運動」について、深く掘り下げることで
新たな気付きになるよう、本記事ではお伝えしていきます。
運動がもたらす効果
運動をする=少し息が弾むくらいの強度で身体を動かす
と捉えましょう。
通勤・通学のために歩くこと、階段を登ること、家事をすること
どれも運動に当てはまります。
わざわざ、スポーツウエアとシューズを買って
利用料がかかるスポーツジムのランニングマシンで走ることが運動ではありません。
私達が過ごしている日常に少し意識することで、運動は簡単に取り入れられます。
しかし、他のことに意識を取られながらだと、十分な運動とはいえません。
例えば、スマホをみながら歩くことは意識がスマホの画面に集中してるため
可動域いっぱいに身体を動かせていません。
歩く、階段を登る、自転車を漕ぐ、など日常で運動を取り入れようとする場合は
身体を動かす動作に集中することでより効率的に行えます。
運動のメリット
・骨が丈夫になる
運動をすると、骨に力が加わります。重力に逆らう地面反力(負荷)を与えることで
骨をつくる細胞の働きを活発にして骨を丈夫にします。
骨粗鬆症の予防効果、介護予防効果が期待できます。
・免疫力が向上する
運動をするときは酸素を取り込み、体内にある炭水化物、糖質、脂質などの栄養素を使って
エネルギーを作り出しています。運動によってエネルギー代謝が上がると、
新旧の免疫細胞が促進され、細胞だけでなく組織や個体にも活性化をもたらし
免疫機能が高まり、病気に対する抵抗力を増やします。
さらに、運動により筋肉の緊張がほぐれたり、血行や新陳代謝が増すため免疫細胞が
身体中を巡りやすくなるため、病原体やがん細胞を早期発見しやすくなるメリットもあります。
・関節や筋肉が柔軟になり、疲れにくくなる
運動をすると関節や筋肉が柔らかくなります。
体を動かすことで、筋肉の柔軟性を維持し、可動域が狭まることを防ぎます。
人の身体は動かしていないと、だんだん硬くなり、一定の筋肉しか使わなくなってしまいます。
運動することで、怠けていた筋肉も働き出し、結果として総筋肉活動量が増え
代謝も高まり、同じ作業でも相対的に楽になり、疲れにくくなります。
・心肺系が強くなる
運動をすると肺で酸素を取り入れる効率が高くなります。さらに血管が太くなり、
毛細血管まで血行が巡り、酸素や栄養、老廃物等を素早く目的地に運べるようになります。
体循環の改善が期待できます。
さらに、血液は十分な酸素を取り込み、老廃物を流しだすため、血液がきれいになります。
動脈硬化、狭心症、心筋梗塞、脳卒中、脳梗塞等の予防効果が期待できます。
・肥満の改善、ボディメイク
運動することで、エネルギーを消費し、筋肉も増えるので、代謝があがり脂肪燃焼効果があります。
肥満を予防および改善することで、生活習慣病の予防・治癒効果があり
身体も引き締まり、ボディメイクにも運動は欠かせません。
・脳を活性化する
筋肉を動かす信号を送るのは脳です。そのため、体を動かすことで、無意識に脳に刺激を
与えることができ、認知症を予防・改善する効果が期待されます。
ウォーキングのように外の空気を吸いながら散歩する運動でも、脳にとってはよい刺激となります。
・リフレッシュできる
ストレスが発散できたり、リラックスできたり、
不安感や疲労感が減ったり、生活が充実したり、さまざまな心への効果があります。
運動×寿命
運動をすることで、寿命が伸びる研究結果があります。
ただ、やり過ぎはNGで、本研究の場合90分以上の運動をする場合、
寿命が伸びる効果は一定値しか期待できないことも判りました。
「運動で寿命が延びる」ことは医学的にも確認されている。台湾の国家衛生研究院が41万6175人を平均8年間追跡した調査によると、「毎日15分、中程度の運動(ウォーキングなど)をする人」の死亡率は「まったく運動しない人」より14%低く、平均寿命が約3年長い。さらに1日90分までは、1日の運動時間が15分増えるごとに死亡率が4%ずつ下がっていく。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/21846575/ 死亡率の低下と平均余命の延長のための身体活動の最小量
適度な運動
運動はやればやるほど体にいいわけではありません。
激しい運動、または毎日欠かさず運動する人は心臓病発症のリスクが示唆されてます。
約110万人の女性について日々の運動量と健康状況を9年間調べたところ、4万9113人が心臓病を、1万7822人が脳血管疾患を発症した。これらの病気と運動量の関係を調べたところ、台湾の研究と同じく、あるレベルまでは運動量が多くなるほど発症のリスクが低くなっていったが、ウォーキングやサイクリングなどの運動を「毎日欠かさず行う人」は、逆に心臓病や脳血管疾患のリスクが高くなってしまった
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25688148/ 100万人以上の女性を対象にした大規模な調査
休息も身体・健康にとっても大切なことですし、
やればやるだけ体に良いというわけではないです。
適度な運動とは?
「適度な運動」といっても、人によって性別や体格、運動習慣などにより、
それぞれの「適度」は多少異なることもあるでしょう。
しかし、適度な運動量については、実は基本的なガイドラインがあります。
世界保健機関、米国疾病予防センター、米国心臓協会の3機関が
「有酸素運動」についてガイドラインを出しています。
・ウォーキングなど、中程度の運動を週に150分。
できれば、1回30分を5回に分けるのが理想
・ランニングなどの激しい運動を週に75分。25分を3回が理想
・10分未満の運動は1回にカウントしない。
できるだけ1週間でまんべんなく分散させる(1回で90分行っても十分ではない)
ガイドラインによると、
適度な運動とは「中程度からハードな運動までを時間、回数で分けて行うこと」と推奨されています。
もちろん、このガイドラインが全てではありません。
ただ運動をすれば健康になるというわけではありません。
「やらなすぎ」「やりすぎ」も、健康的とは言えませんが、目的をもって運動を取り入れるほうが効果的です。
"なんのために"を一度考えてみてもいいかもしれません。
例えば、
「痩せたい人」であれば
脂肪燃焼効果を最大限に引き起こしたい
⇒筋肉量を増やして、基礎代謝をあげた状態で、有酸素運動で脂肪を減らために
筋トレ週2回×有酸素30分週2回 の運動
「健康のために」であれば
自分の生活習慣に足りない要素をプラスする考え方
デスクワークでむくみやすいし、疲れやすい
⇒普段座っているので、外で散歩して脳の活性化と体力づくりで
10分のウォーキング+ランニング15分 週3程度
などなど、運動の効果を最大限に引き出すためには「目的」が大事になります。
まとめ
運動は健康に良い影響を与えますが、やりすぎもNGです。
本記事の「運動は必要ですか?」という問いには
「運動を取り入れることで、よりライフスタイルが明るくなります」
という答えになります。
運動といっても、一言でこれ!とはいえず色んな運動があり
色んな効果が期待できます。
なんのために、運動するのか
運動の効果を最大限に引き出すためには「目的」が大事です。
今の生活に、通勤が自転車で40分かかり、坂道も多いです。って人には
もう適度な運動は取り入れられているので、プラスする必要はありません。
自分の生活にどのようにプラスしていけばいいか
運動は一時的なものではなく、ずっと寄り添って歩んでいくものです。
私達の生活において、「健康」につながるものは「運動」はもちろんですが
食事・休息・睡眠・ストレスなど、様々な要因が重なり合っています・
無理なく、自分らしくのライフスタイルに、運動を取り入れてみてください(^^)