EMS(電気刺激トレーニング)というトレーニング方法をご存知でしょうか。
EMSはElectrical muscle stimulationの頭文字をとった略で、「電気的筋肉刺激」という意味です。
EMSは電気を流すことによって、筋肉の収縮を引き起こし運動効果を得ることができます。
リハビリや筋萎縮の予防として使用、スポーツ現場にでのトレーニングや回復ツールとしても
使用されています。
身体に着けることで、電気を流し、筋肉を刺激による運動効果をダイエットやボディメイクに活用する人が増えたため、一時期話題になりました。
シックスパッドなど聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。
しかし、このEMS機器について
消費者庁が2020年に販売業者4社に対して、措置命令を出しました。
「景品表示法に違反する行為」が認められたそうです。
簡単に説明すると、消費者が誤解するような商品紹介を行った
「102.4センチあったウエストはなんと88センチに。驚き
引用:https://www.caa.go.jp/notice/assets/representation_200331_01.pdf 消費者庁
のマイナス14.4センチ」、「なんと、マイナス19.6センチ
のお腹引き締めに成功。出産前のお腹を取り戻した」等
あたかも、本件商品①を腹部に使用すれば、本件商品①の電気刺激に
よって腹部の筋肉が鍛えられることにより、1か月又は6週間で腹部の痩身効果が得られるかのように示す表示をしていた 等
では、EMSは効果がないのでしょうか。
本記事では、様々な研究結果から考察していきたいと思います。
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EMSの効果
EMSの最大の効果は、筋肉の収縮を促す ことです。
さらに、自分では意識して収縮・運動することができない部位、身体を動かすことができない人に対しても筋肉に電気刺激を与え、運動効果を得ることができます。
EMSトレーニングでは、着けるだけで「脂肪燃焼・ダイエット効果」があると思われている人が大半ですが、電気を流すだけで脂肪を燃焼するという直接的な効果は期待できません。
電気は筋肉に流れやすい性質があります。
脂肪には電気が流れにくいため、
皮下脂肪が多い人は、EMSの電気刺激を筋肉に僅かしか伝えることができません。
そのため、効果が感じられないという人が見られます。
EMSは筋肉に電気を流して刺激を与えてトレーニングを行うため、
筋肉の活動が増える→消費カロリーが増える→脂肪が燃焼する という過程になります。
つまり、筋肉の活動による間接的な結果として、脂肪燃焼を働きかけることができます。
早稲田大学の腹部体脂肪の減量に対する電気刺激の効果でも
30 日間の EMS 負荷で腹部の筋肉量
引用:http://www.waseda.jp/sports/supoka/research/sotsuron2006/1K03A801-6.pdf 早稲田大学 350名に対する調査結果
の増大と体脂肪量の減少、そしてそれらの 2 次的効果とし
て腹部周囲径の減少を認めることが出来た
と間接的に脂肪燃焼に繋がる結果は出ています。
しかし、EMSによって脂肪燃焼という直接的な効果はないことはご理解いただきたいです。
EMSのメリット
EMSのメリットは、電気刺激によって筋トレの効果が得られるため、
運動が苦手な人、何らかの事情があって運動ができない人でも筋力トレーニングが行うことがきます。
刺激を与えたい部位に貼るだけなので、筋トレのようにダンベルや正しいフォームなど必要なく
膝や腰を傷めることも、ケガの恐れがないこともメリットです。
腹筋を中心に鍛えたい
脚を中心に鍛えたいといった部分トレーニングにも活用することができます。
さらに、運動時にEMSを併用することで、かんたんな運動であっても
筋肉刺激により、通常時よりも大きなパフォーマンスアップが期待できます。
トレーニングをより効果的・効率的にするための
サポート機器として、EMSはとても効果が期待できます(^^)
メリットとしては下記が挙げられます。
- 着けるだけで運動効果が得られる
- 家事しながら、用事しながら、スキマ時間でも行える
- 怪我のリスクが少ない
- 併用することで効率的に筋トレ効果を得られる
EMSに関する研究結果
EMSのについては、海外でも日本でも、多くの研究が行われています。
一般的なレジスタンス運動やジャンプトレーニング中にEMSを付加することで,大きなトレーニング効果(最大筋力の増大)を得られることが報告されている。さらに,有酸素運動中にEMSを付加することによって,EMSに特異的な代謝応答を誘発するといった新たな運動形態も発案されている。
ウェアラブル小型電気刺激装置による筋疲労特性と筋肥大効果の検討
健康的な一般人とアスリートに対してのEMSの影響についても研究が行われています。
被験者の上腕三頭筋・大腿四頭筋に電気的に刺激を与えた。
引用:https://ci.nii.ac.jp/naid/110004695681
EMSは、アスリートと非アスリートの両方の筋肉が強化する結果が得られ、さらに、EMSはアスリートと比較して非アスリートに対してより強い効果を示しました。
マシントレーニングよりも、電気刺激のほうが筋肉細胞の破壊が優位でした。
筋肉細胞の破壊が優位ということは、簡単にいうと筋肉への刺激が多いということが言えます。
カナダとデンマークの研究者チームが行った実験で、健康な若い男性を対象に、まず片足を合計210回、何回かに分けて屈伸してもらいました。太ももの筋肉(大腿四頭筋)を鍛えるためのトレーニング・マシンを使ったそうです。そのあと、反対の足に電気筋肉刺激を同じ回数だけ行う
引用:https://biz-journal.jp/2018/08/post_24374.html
筋肉の一部を両足から採取して電子顕微鏡で観察したところ、電気筋肉刺激を行ったほうの足で、筋肉細胞の破壊が激しかったと結論を得た
多くの側面から、研究が行われており
EMS自体は健康にとても効果的なものであると考えられます。
しかし、皮膚にジェルを貼り付けたりすることで
皮膚かぶれが生じる可能性もあります。
まとめ
本記事での題名でもある
「EMS(電気刺激トレーニング)は効果がありますか」の答えは
「効果があります」 です。
電気を流すことで、筋肉の収縮を促すため
普段意識して動かすことができない筋肉へ刺激を与えて、筋活動が増えます。
そのため、EMSによって筋力UPが考えられます。
ただ、脂肪燃焼に関しては、直接的な効果はありません。
あくまでも、筋肉の筋活動が増えることで、基礎代謝による消費カロリーが増え
脂肪が燃焼するという間接的な効果になります。
脂肪は電気を通しにくい性質があるため、内臓脂肪・皮下脂肪が多い部位では
なかなか筋肉へ届かず、あまり効果を感じられないという声が多いです。
EMSを着用するだけでは、痩せる・ダイエット効果は僅かですが
運動と併用することで、相乗効果で、効率よく効果を引き起こすことができます。
日本でも海外でも、多くのEMS 電気刺激トレーニングの器具が開発されているため
- 電気の強弱の段階をしっかり設定できる(自分に合った周波数の設定)もの
- 粘着による皮膚の反応
- 取り扱い説明の安全性
など判断基準として選んでみてください。
流す電気が強ければいいのかと言われれば、そういう理由でもなく
周波数も身体に合わない場合、不快感を感じるものもあるため、設定できるものがオススメです。
トレーニングやスキマ時間で効率的に運動効果をもたらすのであれば
EMSはおすすめのトレーニング方法です(^^)