「玄米はダイエットに効果がある」と聞いたことがあるのではないでしょうか。
玄米は、豊富な栄養素を含んだ胚芽と糠が付着した状態のお米です。ビタミンやミネラル、食物繊維が豊富に含まれており、白米に比べて栄養価が高く、健康に良いとされている食材の一つです。
白米に玄米を混ぜて炊くことで、手軽に取り入れることができるため
健康を考えたり、ダイエットの効果を上げたりするために玄米を食べている人も多いのではないでしょうか。
本記事では、玄米はダイエットに効果的なの?という疑問に、
玄米の効果やダイエットとの関連について最新の研究結果も考察して解説していきます。
玄米のメリット
玄米は、稲の実から籾殻(もみがら)のみを取り除いた状態のお米です。白米と違い、胚芽と糠(ぬか)の層がそのまま残っています。胚芽には新しい芽を出すための豊富な栄養素が蓄えられており、糠にはビタミンB群や食物繊維、抗酸化成分などが多く含まれています。このため、玄米は「完全栄養食品」とも呼ばれるほど、栄養価が高いのが特徴です。
【豊富な食物繊維】
玄米には、白米の約6倍もの食物繊維が含まれています。実は玄米も白米もカロリーはほとんど変わりません。玄米ごはんに含まれる食物繊維は100gあたり1.4gとされており、食物繊維の摂取量を大きく増やすことができます。
玄米に含まれる食物繊維が、善玉菌のエサとなるプレバイオティクスとして働き、腸内フローラを整え腸内環境を改善します。さらに腸の蠕動運動を促進し、排便をスムーズにするため、便秘の解消効果も見込まれます。
・食物繊維が豊富: 消化を助け、腸内環境を整えることで排便を促進。
・ビタミンB群: エネルギー代謝を助け、疲労回復をサポート。
・ミネラル(マグネシウム、鉄分など): 筋肉機能や血液循環を改善。
・抗酸化成分(フェルラ酸やγ-オリザノール): 体内の酸化ストレスを軽減し、細胞の活性化で爪や髪の健康維持にも役立つ。
【低GI食品で血糖値を緩やかに】
GI値とは、食品を摂取した後に血糖値がどれだけ上昇するかを示す数値です。
玄米はGI値が低いため、血糖値がゆっくりと上昇し、インスリンの分泌が抑えられます。これにより、脂肪が蓄積されにくくなり、ダイエット効果が期待できます。
【コレステロール値の低下】
近年では、生活習慣病予防の重要な要素である血清コレステロール値の低減効果を持つ食品材料として、玄米の可能性を示唆する論文も発表されています。
血清コレステロール値が正常値から高値の範囲にある成人、健康な成人が主で、特にコレステロール値が高めの成人を120名選出し、プレゼラチン化した玄米群と通常の非玄米に分け、90日間にわたり経過を観察しました。参加者には統一されたレシピと指導を提供し、調理方法を統一し、0日目45日目90日目に採血しました。
血清コレステロール値の変化に有意差が見られ、
・初期値が高い被験者(221 mg/dL以上)では、血清総コレステロール値が有意に減少。特にLDLコレステロール値(140 mg/dL以上)で顕著な低下が観察された。
・初期値が低い被験者(40 mg/dL未満)のHDLコレステロール値には、有意な変化が見られなかった。
さらに、身体状態の改善が多く報告され、多くの被験者が排便回数の増加や、全体的な身体状態の改善を実感した。
玄米が高コレステロール値の被験者に対して有意な効果を持つことを示した。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jisdh/28/2/28_89/_pdf/-char/ja 玄米の長期継続摂取(90日間)による血中コレステロール値低減効果の検証【ダイエット】
玄米を摂ることで、体の内側から整い腸内環境や内臓の働きが正常化され、基礎代謝が上がることが見込まれるため、間接的にダイエット効果があります。
玄米を摂取することで基礎代謝が上がる理由は、その栄養素にあります。玄米に含まれるビタミンB群は、体内でエネルギーを効率的に産生する代謝を助ける働きがあります。
また、ミネラル(特にマグネシウム)は筋肉や神経の働きをサポートし、筋肉量の増加を助けます。
筋肉量が増えることで、基礎代謝が向上し、体が安静時に消費するエネルギー量が増えるため、余分な脂肪の燃焼を促進させます。玄米は白米に比べて噛み応えがあるため、よく噛んで食べることになり、満腹感が得られやすくなり
間食を防ぐことができるためダイエットでも注目されています。
玄米の注意点
玄米は食物繊維が豊富なため、逆に便秘になる場合もあるため、水分を十分に摂ることが大切です。また、玄米は硬くて消化しにくいので、消化不良を防ぐために、よく噛んでゆっくりと食べることを意識してみましょう。
特に胃腸が弱い人や普段から食物繊維をあまり摂取していない人にとっては、消化不良を引き起こす可能性があります。
このリスクを軽減するためには
・よく噛む
・十分な水分補給
・調理方法を工夫(しっかりと水に浸した後に圧力鍋で炊いたり、リゾットやスープなど)
白米とのブレンドから始めることがおすすめです。特に、最初は白米と玄米を1:1の割合で炊くことで、味や食感に慣れやすくなります。
いくら健康的でも、玄米もカロリーがあるため過剰摂取に注意しましょう。
玄米×運動の相乗効果
玄米を取り入れ運動を組み合わせて行うことで、より高いダイエット効果や健康効果が期待できます。
玄米に含まれるタンパク質は、筋肉の合成を助け、運動によって刺激された筋肉の修復をサポートします。筋肉量を増やすことで、エネルギー消費量が増加し基礎代謝の向上します。
さらにビタミンB群、ミネラルなど、運動のパフォーマンス向上に不可欠な栄養素を豊富に含んでいます。運動によって消耗した栄養素を補い、健康的な体を維持することができます。
運動は、ストレス解消や気分転換に効果的ですが、玄米に含まれる、GABA(γ-アミノ酪酸)という成分で相乗効果が見込まれます。
運動によって分泌されるエンドルフィンと、玄米に含まれるGABAの働きにより、ストレスホルモンの分泌を抑え、気分転換を優位にしたり、GABAは脳の興奮を抑える効果があり、運動後に摂取することで心身のリラックスを助け、深い睡眠を促すため疲労回復のも効果的です。
玄米の摂取と運動を組み合わせると、相乗効果でメリットが得られます。
(1) 血糖値コントロールの向上
玄米は低GI食品であり、血糖値の急上昇を防ぎます。一方で、運動は血糖値をエネルギーとして消費するため、体内の血糖値管理がさらに向上します。これにより、脂肪蓄積のリスクが低減されます。運動中に分泌されるアドレナリンと、GABA(γ-アミノ酪酸)の血糖値安定効果が相まって、脂肪の分解とエネルギー消費を効率的に進めます。
(2) 脂肪燃焼効率の向上
運動前の食事に玄米を摂取すると、安定したエネルギー供給が可能になるため、有酸素運動中の脂肪燃焼効率が高まります。
(3) 筋肉の成長と回復をサポート
玄米に含まれるビタミンB群やマグネシウムは、筋肉のエネルギー代謝と回復を助けます。
とくに運動後に玄米を摂取することで、筋肉の修復が促進され、十分な疲労回復が期待できます。
(4) 腸内環境の改善による体調管理
玄米に豊富な食物繊維は腸内環境を整え、免疫力を向上させます。運動によるストレスや疲労も腸内環境に影響を与えるため、玄米との組み合わせは体調管理に効果的です。
(5)リフレッシュ効果
玄米に含まれる、GABA(γ-アミノ酪酸)という成分と運動のストレス解消や気分転換の相乗効果が見込まれます。
運動によって分泌されるエンドルフィンと、玄米に含まれるGABAの働きにより、ストレスホルモンの分泌を抑え、気分転換を優位にしたり、GABAは脳の興奮を抑える効果があり、運動後に摂取することで心身のリラックスを助け、深い睡眠を促すため疲労回復のも効果的です。
運動と玄米は同時に手軽に取り入れることで、生活全体のリズムが整います。
運動だけ・食事だけよりも、運動後の食事を玄米ベースにしたりすることで、相乗効果が働き短期間でダイエット効果を得られやすくなります。
Q&A
Q,玄米はダイエットに効果的なの?
A, 玄米はダイエットに効果的な食材として広く認識されています。
その理由として、栄養バランスが優れていることや、血糖値の上昇を緩やかにする特性によって、身体の内側から整うため、ダイエットに繋がります。
玄米は食物繊維の多さや栄養価の高さは、ダイエットだけでなく腸内環境の改善や生活習慣病の予防といった健康全般にも良い影響をもたらします。
さらに、玄米は日常の食事に簡単に取り入れることができ、運動と組み合わせることで、健康的な体重管理、体脂肪の減少、筋肉量の増加といった相乗効果が期待されます。特に、血糖値を安定させる効果により、運動中の脂肪燃焼効率を高めることができるのも魅力の一つです。
ただし、過度な摂取はかえって消化不良や栄養バランスの偏りを引き起こす可能性があるため、適量を守ることが大切です。
玄米はダイエットだけでなく、腸内環境の改善や血糖値コントロールの向上など、生活習慣病予防など全身の健康促進にも役立つ頼れる食材です。
無理なくダイエットを進めていくうえで、玄米はおすすめの食材です。
腸内環境の改善や血糖値コントロールの向上を目指しながら、無理なく取り入れてみてはいかがでしょうか。