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ストレッチの時、何秒伸ばすのが効果的なの?

手軽に取り組めるストレッチですが、なかなか効果が感じられず
続けられなくて三日坊主になったりしませんか?

ストレッチは一時的に筋肉を伸ばすものなので、習慣化して伸張させることで
筋肉の柔軟性を手に入れられるため、継続がとても大事です。

ストレッチには動的ストレッチを静的ストレッチがあり
よくリラクゼーションや柔軟性のために行われるストレッチは、
ぐ~っと伸ばす「静的ストレッチ」です。

本記事ではストレッチ、静的ストレッチに対して何秒伸ばすのが効果的か
解説していきます。
※運動前に取り入れたい動的ストレッチとは目的とする効果が異なり、静的ストレッチの効果に焦点をあてて解説しています。

ストレッチで柔軟性が向上するには

ストレッチは何度も行うことで、柔軟性が上がって、
「体が柔らかい」という状態に近づいていきます。

ストレッチするほど筋肉の柔軟性が高くなるのは、「筋紡錘」と「ゴルジ腱器官」が関係しています。
筋紡錘とは、筋肉を構成している筋繊維に存在していて、
筋肉がストレッチされて伸ばされることで、筋紡錘に刺激が入り、電気信号を発生させて、脳に伝達しています。筋紡錘は、筋肉が引き伸ばされすぎて断裂しないようにするために脳へ信号を送っています。信号を受け取った脳は、それ以上に筋肉が伸ばされないように緊張します。

ストレッチが始まってから筋紡錘が反応を始めますが、
20~30秒ほど経過すると、筋紡錘の反応が弱まりやすくなり、「ゴルジ腱器官」が作動し、筋の緊張を緩和し、筋肉(筋繊維)が伸張します。

そのため、ストレッチは伸ばしたら20秒〜30秒は最低でも維持することが重要になります。

3秒~5秒くらいストレッチしてすぐにやめてしまう場合は
筋紡錘が強く興奮したまま終わってしまい、筋肉が伸ばされないように、より緊張しやすくなってしまうため、ストレッチを深めるには、筋肉を余分に緊張させないことが大切です。

ストレッチは何秒がいいの?

ストレッチを取り組んだとしても、5秒ほどの短い時間のストレッチでは、
継続しても、あまり効果が期待できません。
もともとの柔軟性や筋肉の疲労具合など、個人差がありますが
筋紡錘とゴルジ腱器官の働きを考慮しても最低20秒はストレッチを継続する必要があります。

ストレッチはやればやるだけ効果的なのでしょうか。
同じ筋肉を2~3分伸ばし続けたほうがいいのでしょうか。

この視点に関して、ストレッチの持続時間に関する研究があったので、ご紹介します。

【対象】
膝疾患の既往がない健常成人 20 名、女性 10 名(21-54 歳、平均 30.3 ± 8.7 歳)、男性 10 名(22-35 歳、平均 28.8 ± 3.8 歳) を対象とした。

【方法】
右下肢を対象側とし、膝屈曲 90°の等尺性最大膝伸展筋力(MVC)を下肢筋力測定・訓練器(アルケア社製、以下 QTM) で測定した。ストレッチ前の運動負荷として 60%MVC の等尺性膝伸展運動(膝屈曲 90°、収縮時間 6 秒、10 回)を QTM で 行った。運動後、大腿四頭筋の他動的ストレッチを行い、ストレッチ前後の大腿四頭筋緊張度(以下 Q-tension)を測定した。

【結果】
女性のストレッチ前後のQ-tensionの変化は、10Sではストレッチ前2.3±1.3kg、後2.1±0.7kgで、ストレッチ後統計的 に有意な低下を認めなかった。20 Sと 60 Sでは、20 Sのストレッチ前 2.4 ± 0.8kg、後 2.0 ± 0.7kg、60 Sのストレッチ前 2. 3±1.0kg、後2.0±0.8kgで、20Sおよび60Sともストレッチ後統計的に有意な低下を認めた。男性のストレッチ前後の Q-tension の変化も、10 Sではストレッチ前 3.7 ± 1.9kg、後 3.3 ± 1.7kg で、ストレッチ後統計的に有意な低下を認めなかっ た。20 Sと 60 Sでは、20 Sのストレッチ前 3.7 ± 2.0kg、後 3.2 ± 1.7kg、60 Sのストレッチ前 3.9 ± 2.3kg、後 3.2 ± 1.8kg で、20 Sおよび 60 Sともストレッチ後統計的に有意な低下を認め、女性と同様の結果であった。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/cjpt/2011/0/2011_Ab1344/_article/-char/ja/
静的ストレッチングの効果的な持続時間について

結果として
・10秒のストレッチはあまり効果が出なかった
・20秒のストレッチは効果が出た
・60秒のストレッチも効果が出た
・20秒と60秒のストレッチ効果はそこまで差がない 
研究結果から長くストレッチをしたといって効果も上がるという比例関係はみられないと考えられるため、20秒以上のストレッチ後は「伸びてる」と感じられる程度で、自分の身体と会話しながら行ってみましょう。

ストレッチ時のポイント

ストレッチをより効果的にするためのポイントをご紹介します。

・ストレッチは2~3セット行う
ストレッチは1セットで終わるのではなく、2~3セットが効果的です。特に最初に1セット目は筋肉はあまり伸びず、硬くなった筋肉を動かすことで伸張反射を出すからです。
筋紡錘とゴルジ腱器官の働きによって、2セット目からは筋肉が伸びやすくなります。
セット間は数秒にして、すぐに取り組みましょう。休みすぎて、また伸張反射が起きるのを防ぐためです。セット間の休憩は、一瞬で良いです。

・息は止めずに自然に呼吸しましょう
伸ばす前に息をゆっくりと吸い、ゆっくり伸ばす時に息をゆっくりと吐いていきます
深くしっかり呼吸することで、自律神経も刺激され、リラックス効果を得ることができます。

・反動で伸ばさず、ゆっくり伸ばす
勢いをつけることで、収縮速度が高まるので、筋肉は縮みやすくなってしまったり、筋肉への負荷も高いため、痛めてしまう可能性もあります。
柔軟性・可動域の向上には、反動をつけずに伸ばしましょう。

・入浴後か運動後がおすすめ
全身の血管が拡張して血流がよくなっている状態でストレッチすることで、筋肉が伸びやすくなります。

・頻度を増やしましょう
一回のストレッチング時間は短くても良いので、こまめにストレッチを行う方が関節や筋の柔軟性を改善します。

Journal of Biomechanicsに掲載された、研究結果では、こまめなストレッチが効果的だと述べられています。

研究参加者は24人の男性ボランティアで構成され
1週間のストレッチングの時間を5分間(300秒)と統一して頻度に対する効果を検証
週1回で5分間(300秒)行う群と
週3回2分間(120秒)行う群
で関節の柔軟性と筋の硬さに与える影響を検討しました.
その結果,6週間の介入により週3回行った群では関節の柔軟性は有意に増加し,筋の硬さは有意に減少しました

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32035662/ 異なる体積に相当する毎週の頻度で実行される静的ストレッチプログラムの影響

まとめ

柔軟性のある筋肉を手に入れることによって、日常生活の疲労度も変わってきます。
ストレッチは誰でも手軽に取り組める方法です。

健康的な身体は1日では手に入りません。継続して行うことで、自分が動きやすい、生き生きした身体を手に入れることができます。
お風呂後に30秒×3セット(2分以内で終わる)を続けることを習慣化するなど
継続できるルールを決めるのも方法の一つです。

ぜひ、試してみてください♪

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