ウコン(ターメリック)といえば、カレー作りなどに欠かせないスパイスです。
スパイスや食品の着色料として利用されており、スーパーなどで目にしたことがある人は多いのではないでしょうか。
ウコンは、悪酔いや二日酔いの防止だけでなく、身体の内側の健康にも嬉しい効果があることをご存知ですか?
近年、ウコンの有効成分であるクルクミンの健康効果が注目されており、様々な研究が行われています。ウコン成分の「クルクミン」が運動後の筋肉の回復を助ける可能性があることが研究で発表されました。
本記事では、ウコン成分の「クルクミン」の健康効果を紹介しながら、最新の研究での効果などを解説してきます。
クルクミンの主な健康効果
クルクミンとはウコンに含まれるポリフェノールの一種であり、ウコンの根の部分にある黄色い色素に含まれている成分です。
ポリフェノールが人に与える代表的な効果として「抗酸化作用」や「抗炎症作用」があります。
・抗酸化作用と抗炎症作用
クルクミンは強力な抗酸化物質であり、体内の酸化ストレスを軽減し、細胞の老化を防ぐ効果が期待されています。また、炎症を引き起こす物質の働きを抑えることで、慢性的な炎症性疾患のリスクを低減すると考えられています。
・関節の健康維持
クルクミンの抗炎症作用は、関節炎や関節痛の軽減にも有効とされています。特に、変形性関節症やリウマチ性関節炎の症状緩和に役立つ可能性があり、関節の健康を保つための天然のサポート成分として期待されています。
・消化機能の改善(肝機能保護作用)
クルクミンは、胆汁の分泌を促進することで消化を助け、、肝臓の解毒作用を助ける効果があります。
また胃腸の不調を和らげる効果もあり、胃炎や腸内環境の改善に寄与する可能性があり、腸内フローラのバランスを整える働きも期待されています。
クルクミンが、肝臓の解毒作用を助け、アルコールの分解を促進する働きがあるため、
ウコンをお酒を飲む前に摂取することで、二日酔い予防に効果が期待できると言われています。
・心血管系の健康サポート
クルクミンは、血流を改善し、血圧を安定させる作用があると考えられています。また、悪玉コレステロール(LDL)の酸化を防ぐことで、動脈硬化や心血管疾患のリスクを低減する可能性があります。
クルクミン×筋肉回復の促進
スペインのカタルーニャ・オープン大学(UOC)の研究チーム「Epi4Health」による最新の研究では、クルクミンが運動後の筋肉損傷の回復を促進し、筋肉痛を軽減する可能性が示されました。
この研究結果は、学術誌『国際スポーツ栄養学会誌(Journal of the International Society of Sports Nutrition)』に掲載されており、スポーツ愛好家やアスリートにとっても注目されています。
この研究には、健康な成人男女が参加しました。
定期的に運動を行っているが、プロのアスリートではない一般のスポーツ愛好家を対象に
無作為にクルクミンを摂取するグループとプラセボを摂取するグループに分けられました。運動前後に指定された量のクルクミンまたはプラセボを摂取し、その後の筋肉痛の程度や筋力の回復状況を一定期間にわたり評価しました。
研究の結果: クルクミンを摂取したグループは、プラセボグループと比較して、運動後の筋肉痛が軽減され、筋力の回復が早まる傾向が見られました。
筋肉痛の軽減:運動後24〜48時間の筋肉痛が、クルクミン摂取群で有意に減少
抗酸化能力の向上:活性酸素によるダメージが軽減され、細胞の回復が促進した
筋肉の可動域の向上:運動後の柔軟性や動きやすさが改善した。
これにより、クルクミンが運動後の筋肉回復に有益な効果を持つ可能性が示唆されました。
https://as.com/tikitakas/el-alimento-rico-en-antioxidantes-ideal-para-recuperar-la-musculatura-despues-del-ejercicio-fisico-n/ El alimento rico en antioxidantes ideal para recuperar la musculatura después del ejercicio físico
日本でもクルクミン×運動についての研究が行われています。
「クルクミンが運動後の筋肉痛や筋力低下に与える影響」を調査した研究では
健康な成人男性10名(平均20.9歳)で普段運動習慣がない人を対象に、クルクミン摂取グループ(150 mg) または プラセボグループ に無作為に分ける。
クルクミン(150mg)またはプラセボを運動30分前に摂取
肘の曲げ伸ばし運動(6セット×4回)を実施
筋肉痛・筋力・関節の動き・腫れを運動後0・24・48・72・96時間で測定
結果:
✔ クルクミンを摂取したグループは、運動後の筋肉痛が軽減(48時間以降で有意差)
✔ 筋力の回復が早かった(48時間以降で有意差)
✔ 関節の動きがスムーズに回復(24時間以降で有意差)
✖ 筋肉の腫れには特に影響なし
クルクミンは運動後の筋肉痛を軽減し、筋力回復を促進する可能性があり、関節可動域の回復、DOMS(遅発性筋痛)の回復にも有効である可能性が示唆された。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsehs/60/4/60_206/_pdf?utm_source=chatgpt.com 遅発性筋痛および筋機能低下に対するクルクミン投与の効果
今回の研究では、クルクミンが筋肉痛を軽減し、筋力と関節の回復を促進する ことが明らかになりました。
これは、クルクミンの持つ抗炎症作用や抗酸化作用の働いており、運動後、筋肉内では炎症を引き起こす物質(サイトカインなど)による筋肉痛の痛みを抑えているのだと考えられます。
クルクミンは 「運動後の回復を助ける成分」として効果が見込まれますが、研究の対象人数がまだ少なく、今後さらに多くの発見が期待されます!
クルクミンの効果的な摂取方法
クルクミンはそのままでは体内への吸収率が低いため、以下の方法で摂取すると効果的です。
- 黒コショウ(ピペリン)と一緒に摂取する:ピペリンはクルクミンの吸収率を大幅に向上させます。
- 脂質と一緒に摂取する:クルクミンは脂溶性のため、オリーブオイルやココナッツオイルなどの脂質と組み合わせることで吸収が高まります。
- サプリメントを活用する:クルクミンを高濃度で含むサプリメントも市販されており、効率よく摂取する手段として有効です。
注意点
クルクミンは一般的に安全な成分とされていますが、
過剰に摂取すると、胃の不快感や胃腸障害を引き起こす可能性があります。
また、血液をサラサラにする作用があるため、抗凝固薬を服用している方は医師に相談することを推奨します。
妊娠中や授乳中の方、肝臓疾患のある方は、医師に相談の上摂取してください。
まとめ
クルクミンは、ウコンに含まれる成分であり、健康効果が期待できます。
抗酸化作用や抗炎症作用を持ち、筋肉回復、関節の健康維持、消化促進、心血管系のサポートなど、
幅広く身体に好影響が期待できる成分です。
特に抗酸化作用が働くことで、女性に嬉しいアンチエイジング効果も期待できます。
近年、運動後の回復を早める効果が最新の研究で示されたことから、スポーツをする人々にとっても
おすすめの成分です。
日々の食事のプラスαとして、ウコンを取り入れてみてください♪