最近、ファスティングという言葉を耳にする機会が増えました。
食べ過ぎたから、ファスティングを実施して
1週間でマイナス3キロできました。など
ダイエットをしている人には魅力的な言葉です。
ファスティングとは、簡単にいうと「断食」
いわば、食べない状態ですが
果たして、ダイエットの効果があるのか
ファスティングしたら、体重が落ちるのはなぜか
基本的な効果について
本記事ではお伝えしていきます。
ファスティングとは?
ファスティングとは、「断食」のことであり
英語の「Fast=断食する」が由来となっている言葉です。
元々は宗教上の修業の一環や行事として行われていたものが
ダイエットに効果があると注目を集め、言葉が広まっていますが
行程としては昔から行われています。
数日間、通常の食事ではなく、必要最低限の栄養とカロリーを摂取し
その間に内臓を休ませ溜め込まれた有害物質を外に排出します。
固形物を摂取せずに胃腸を休ませることで
体の中をリセットすることができ
ダイエットや美肌効果、アンチエイジング、免疫力向上などの
効果が期待できると言われています。
ファスティングの効果
ファスティングの効果は、身体の中の有害物を排出し
常に働いている内臓を休息させ、正常に働くようにリセットすることです。
つまり、ファスティングの主な効果は
内臓を休息させ、体内をリセットすること
そのため、間接的に体重減少という結果がもたらされます。
内臓は、常に働き続けていおり、
基礎代謝の中に内臓代謝も含まれます。
内臓がしっかり働くことで、
消費カロリーを増やすことができます。
たとえば、
腎臓が正常に働くことで、体内の有害物を体外へ排出
膵臓が正常に働くことで、血糖値を保つホルモンが分泌
腸が正常に働くことで、十分な栄養素を体内に運べ細胞の活性化へ繋がります。
内臓の働きは
なかなか目に見えるものではないですが、
体の健康にとても深く関わっています。
期待できる効果
・内臓の休息
胃や腸など消化に関わる内臓は休む暇なく働いているため
疲労が蓄積しないように休息を与え、働きを正常化
・脂肪燃焼効果
エネルギーを作り出すために
体内の余分な糖・脂肪が分解され(主に内臓脂肪)、体脂肪減少
・むくみの解消
体の中に溜まった老廃物や毒素を体外へ排出する効果が高まり
血流の改善、むくみの解消
・腸内環境の改善
消化器官を休ませるため、腸内環境が整い、悪玉菌の減少
栄養の吸収率向上、神経伝達物質の分泌セロトニンの活性
パフォーマンスUP、集中力UPなどの脳への効果もあり
アスリートにも導入されています。
ファスティングは、内臓の働きを正常化させることなので
0⇒プラスよりも
マイナスの状態を0に戻す方法です。
日頃の食生活や生活習慣の乱れが大きい人ほど
効果は高くなると考えられます。
継続的断食
ファスティングには、24時間何も食べないというのもあれば
16時間断食「継続的断食」という方法もあります。
1日(24時間)の中で12時間~18時間ほど食事を摂らずに過ごします。
効果はファスティングと基本同じです。
“16:8ダイエット”とも呼ばれる、
「1日16時間の間は食事を摂取せずに残りの8時間内で適度な食事をする」
学術誌『セル・メタボリズム』によると
10時間の制限された食事は、メタボリックシンドロームの患者の体重、血圧、およびアテローム生成脂質を減少https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1550413119306114?via%3Dihub
肥満の人が1日のうち任意の10時間を食事時間として選び、
残りの14時間で食事を控えたところ、12週間後に腹囲および腹部の内臓脂肪に減少が見られた
カロリー計算をしないで「16時間断食(16時間ダイエット)」を行った被験者は、
肥満成人の体重と代謝性疾患の危険因子に対する8時間の制限された摂食の影響https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6004924/
カロリー制限のグループに比べると12週間後に
最高血圧で顕著な減少が見られたことが確認された
カロリー制限よりも、16時間断食のほうが
肥満者の血圧を下げる効果が期待できるそうです。
論文の考察から
ファスティングの健康的な効果は
およそ3ヶ月以降に見られるため、
中長期的に繰り返しで効果が見込まれそうです。
ファスティングの研究はとても盛んに行われていますが
ラット(動物)でも実験も多いので、必ずしもすべての人に当てはまるものではなく
自分に合わないと思ったら無理に継続せず、辞めましょう。
断続的な断食は肥満でない人のダイエットに不向きとも言われています。
BMIが20.5~24.9と非肥満でありながら、減量の意志がある18~65歳の成人を対象に行った
「A randomized controlled trial to isolate the effects of fasting and energy restriction on weight loss and metabolic health in lean adults」Sci Transl Med. 2021 Jun
介入から3週間後
「単純な摂取制限群」では体重が1.91±0.99kg減少、体脂肪は1.75±0.79kg減少
「摂取制限を伴う断続的断食群」では1.60±1.06kg減少、体脂肪は0.74±1.32kg
「摂取制限を伴わない断続的断食群」では、体重が0.52±1.09kgとわずかに減少
エネルギー制限のない断続的断食は、体重を減らすのに効果がないことがわかった。
正味のエネルギー摂取量が制限されている場合でも、隔日絶食は体脂肪量を効果的には減少させない
https://www.science.org/doi/10.1126/scitranslmed.abd8034
ファスティングを始める前に
ファスティングをしない方がいい人・してはいけない人もいます。
糖尿病体質の方や持病を持っている方は、必ず担当医に相談しましょう。
小児や妊婦、授乳婦もおすすめしません。
正しいやり方で行うことで心身がリフレッシュでき、
健康へいい効果が見込めます。
ファスティングはダイエットに比べると短期間で
さらに結果もでるため、魅力的に感じる方も多いと思います。
実際、正しいファスティングを行うことは、
内臓の休息を作り体の中からキレイになり
健康へ好影響のあるものです。
しかし、ただ単に、体重を落としたい
運動嫌いだから食事でコントロールしたいけど、長期間は嫌だから
という理由でのファスティングは、あまりおすすめしません。
身体づくりは長期戦であり、習慣にするべきものです。
自分の理想の身体、理想の生活習慣など
きちんと考えた上で、内臓への休息も必要であれば
ファスティングを試してみてください。
ファスティング導入
ファスティングをする場合、いきなり断食してしまうと
体がびっくりして、SOS状態だと脳が認知し
次の日の食事の糖を体内に蓄積しようとしてしまいます。
食生活が乱れている人こそ、
ファスティングを始める前に、栄養バランスを考えた食事を
最低でも5日は摂取し
その後、準備期間⇒断食⇒回復食と
計画を立てて取り組みましょう。
とくに回復食も大切になってきます。
断食によって、体内の糖が少なくなっているため
いきなり糖分・脂が多い食事をしてしまうと
せっかく休めた内臓もフル活動しなくてはなりませんし
血糖値も急上昇するため、体内に脂肪を溜め込みやすくなってしまいます。
ファスティングは独自でやるよりも
サポートありで行うことをおすすめします。
まとめ
「ファスティングをすれば痩せますか?」という題目に対して
「ファスティングの主な効果は内臓を休息させ、正常に働くようにすること。
内臓が正常に働くことで、消費カロリーが増し、痩せることができます。」
つまり、ファスティングによるダイエットは
直接的ではなく、間接的にもたらされます。
ファスティングによる健康への効果も多く
通常のダイエットよりは短期間で魅力的ですが
ダイエットを目的とするならば
まずは、食事・生活習慣の見直しから始めてみることをおすすめします。
無理に我慢するのではなく、
自分がストレスが少なく取り組める方法を色々試しながら
見つけて、理想の自分になり、素敵なライフスタイルを歩みましょう♪