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2025.09.11

夜中に目が覚めるのはなぜ?

夜中に目が覚めてしまい、そこからなかなか眠りにつけずに朝を迎える経験はありませんか?
一度目が覚めてしまうと、「また眠れなかったらどうしよう」という不安から、かえって目が冴えてしまうこともあります。

このような「中途覚醒」は、睡眠の質の低下を招き、日中のパフォーマンスにも悪影響を与えます。

最新の睡眠科学は「夜間の光の質(波長)」と「更年期に伴うホルモン変動(特に血管運動症状=ほてり・寝汗)」が、睡眠の維持に強く影響することが分かってきています。

本記事では「なぜ夜に目が覚めるのか」をメカニズムから掘り下げ、解説していきます。

中途覚醒のメカニズム

睡眠は常に一定の深さではありません。眠っている間、深い睡眠であるノンレム睡眠と、夢を見やすい浅い眠りであるレム睡眠を約90分周期で繰り返しています。

夜の早い時間帯、特に最初の数周期は深いノンレム睡眠が多くを占めます。しかし、明け方に近づくにつれて、深いノンレム睡眠は減少し、レム睡眠とそれに伴う浅いノンレム睡眠の割合が増え、
「浅い眠りの時間帯」にちょっとした物音や光、身体の違和感など、ごくわずかな刺激にも反応してしまい、目が覚めやすくなります。このノンレム睡眠時が中途覚醒が起こりやすいタイミングです。

眠りの「入り」と「維持」は別の仕組みです。
脳の過覚醒や自律神経・ホルモンの変動があると、入眠はできても夜中に覚醒しやすくなります。
そのため、夜中に目が覚めてしまう場合、脳の過覚醒や自律神経やホルモンの乱れが関連している可能性が高い傾向があります。

また、メラトニンは夜間に眠りを“後押し”するホルモンで、光(特に短波長=青寄り)が目の特殊な受容体を刺激するとメラトニンが抑制され、夜間の睡眠維持が弱まることが分かっています。

また、“中途覚醒”に悩む30〜50代の女性はとても多く、原因はストレスだけではありません。
更年期によるエストロゲン変動により深睡眠が減り、さらにほてりや寝汗が夜間覚醒を引き起こす要因として考えられています。

中途覚醒の主な要因

  1. ホルモン変動(更年期・プレ更年期)

・エストロゲンとプロゲステロンの低下
睡眠を安定させるホルモンが減少し、入眠しにくくなったり夜中に目が覚めやすくなる。
・ホットフラッシュ(のぼせ・発汗)
就寝中の体温変動で中途覚醒を引き起こす。

  1. 体内時計(概日リズム)の乱れ

・メラトニン分泌の低下
加齢とともに夜間のメラトニン分泌量が減り、深い睡眠を維持しにくくなる。
・光の質とタイミング
夜間にスマホやLED照明など“青色光(メラノピック照度が高い光)”を浴びると、メラトニンが抑制され覚醒しやすい。

  1. 精神的ストレス・自律神経の乱れ

ストレスホルモン(コルチゾール)が高いままだと眠りが浅くなり、夜中に目が覚めやすい。交感神経優位(緊張状態)が続くと、深部体温が下がらず覚醒に繋がる。

  1. 身体的要因

・夜間頻尿(加齢やホルモン変化、カフェイン・アルコール摂取が影響)
・睡眠時無呼吸症候群(気道の閉塞による低酸素で覚醒が起こる)
・慢性痛・肩こり・腰痛による不快感

  1. 生活習慣・環境要因

・就寝前の飲酒・喫煙・カフェイン摂取
・就寝環境(室温・湿度・寝具の合わなさ)
・運動不足による睡眠圧の低下(深く眠るための“睡眠欲求”が弱まる)

  1. 加齢そのものによる影響

・深いノンレム睡眠(徐波睡眠)の減少で中途覚醒しても眠り直しにくくなる。
・睡眠周期の短縮で若い頃よりも浅い睡眠の割合が増えるため、覚醒しやすい。

更年期不眠症に対するホルモン療法のランダム比較した研究では
更年期不眠症の女性12名を対象に、エストラジオールとトリメゲストンの併用療法、またはプラセボを比較しました。
ピッツバーグ睡眠品質指標(PSQI)を測定し、ベースラインと28日後に睡眠検査を実施しました。
ホルモン療法群(HT)では睡眠効率とPSQIスコアの中央値が有意に改善がみられました。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/21993580 A randomized, controlled pilot trial of hormone therapy for menopausal insomnia

「光の質」が睡眠に与える影響

良質な睡眠を取り戻すためには、生活習慣の見直しに加え、光環境を意識的にコントロールすることでも回復効果があると分かってきています。

これまで、睡眠に良いとされる光環境の指標は、単に「明るさ」(照度)で語られることがほとんどでした。しかし、近年では「メラノピック照度」という新しい指標が重要視されています。

【メラノピック照度とは】
私たちの網膜にある、光を感じる新しい細胞「内因性光感受性網膜神経節細胞(ipRGC)」が受容する光の明るさを表す単位です。このipRGCは、光の刺激を脳の体内時計(視交叉上核)に伝え、睡眠を促すホルモン「メラトニン」の分泌をコントロールする役割を担っています。

通常の明るさだけでなく、どの波長(色)を含むかが重要です。
目の中の光感受性タンパク質は短波長域(ピーク約 480 nm 前後、青〜青緑)に最も敏感で、この刺激が体内時計とメラトニン分泌を強く抑制します。
視覚には直接関わらないものの、メラトニン分泌や体内時計に影響を与える光の「質」を定量的に評価しているのが、「メラノピック照度」です。
同じ明るさの光でも、その光がどのような波長を持っているかによって、体内時計への影響度は大きく異なるのです。

メラノピック照度を考える上で、特に注意すべきは「ブルーライト」です。

ブルーライトは、太陽光にも多く含まれる波長の短い光で、メラトニンの分泌を強く抑制し、覚醒を促す作用があります。日中に浴びる分には体内時計をリセットし、活動モードにするために有効ですが、問題は夜間に浴びることです。

スマートフォンやパソコン、LED照明に多く含まれるブルーライトを就寝前に浴びると、脳が「まだ昼間だ」と勘違いし、メラトニンの分泌が抑制されます。これにより、寝つきが悪くなったり、眠りが浅くなって中途覚醒しやすくなったりするのです。

就寝2時間前から「暖色系の弱い光」へ切り替える(暖色は短波長が少ない電球色、間接照明、明るさを落とす)

重要なのは「メラノピック成分をどれだけ減らすか」です。夜間モードは機器によって効果差があるため、スマホ・タブレットの夜間モード(ブルーライトカット)だけで安心せず、必要ならブルーライトカット眼鏡や画面フィルタ、あるいは就寝前は画面を避けるのが確実です。

さらに、日中(特に朝)に強い光を浴びると夜の光に対する感受性が下がる報告があり(光適応の効果)、概日リズムの安定に役立ちます。朝の光を意識的に浴びて朝の光と夜の“スペクトル管理”をセットで行うのもおすすめです。

まとめ

中途覚醒(夜中に目が覚めて再入眠が難しい状態)の要因は一つではなく、体内の生理的変化から生活習慣、環境要因まで複雑に絡み合っています。

年齢・体質だからと片づけるのではなく、体の仕組みと生活環境の影響を理解し、整えていくことが大切です。
最新研究でも、光やホルモンといった調整可能な要因が大きく関わっていると示されています。

中途覚醒をゼロにすることは難しくても、工夫することでだんだん睡眠時間が長くなってくることもあります。

  • 光環境を整える(夜は暖色照明・スマホ控えめ)
  • ストレスへの対策(呼吸法・リラックス習慣)
  • 睡眠リズムを一定に保つ(起床時間を固定など)
  • ホルモン変化が大きい場合は医師に相談

まずは、見直せそうな生活習慣を前向きに取り組んでみましょう♫

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