「水を飲むだけでカロリーが消費される」と聞いたことはありますか?
実は、水を飲むことによって体の代謝が活性化し、わずかですがカロリーを消費することが証明されているんです。
ダイエットや健康に水分はとても大事で、こまめに水分補給しましょう!ということはご存知だと思いますが、ただ水を飲むだけで消費カロリーがアップするのです。
本記事では、水がどのようにしてエネルギーを消費するのか、を詳しく解説していきます。
水を飲むとエネルギーが消費する?
水を飲むことによるエネルギー消費には、身体の内側が発する熱が関係しています。
食事をすると、体が温まる経験があると思います。
これは、「食事誘発性熱産生」といって、食べ物を消化する際に、体が熱を帯びることでエネルギーが消費されます。
水も口から入って胃や肝臓・腎臓、小腸などの臓器に届き、水を飲むことでも「食事誘発性熱産生」が引き起こされることが研究によって示されているのです。
これには、人間が体温を一定に保とうとする「恒常性機能」も関係しています。
水を飲むと、体温が一時的に下がります。すると、体は体温を元に戻そうとします。この時、熱を生み出すためにエネルギーが消費されるというわけです。
実際に水を飲むことで
500mLの冷たい水 → 約23〜30kcal
消費1日2L(500mL×4回)の場合 → 約92〜120kcal 消費(約30分のウォーキングに相当)
といわれています。
120kcalはおにぎり一個分です。水を1日2L飲むことで、約120kcalが消費されるのです。
体の中を整えるのに水分はとても大切で重要な役割で、こまめに水分補給が促されていますが
健康はもちろんエネルギー消費にも効果的なのです。
常温の水 vs 冷たい水
水によって体温が下がり熱を生み出してカロリーを消費する仕組みでは、冷たい水の方が消費カロリーは大きくなります。
しかし、冷たい水は体温を下げ過ぎるため、体内の循環に対してはあまり良くありません。
冷えは万病のもとと言われるように、冷たい水に臓器が驚き、代謝を停滞させてしまうため、水を飲んで得られるはずの代謝の活性化も見込めず本末転倒となってしまいます。
常温の水は冷水よりも胃腸への刺激が少なく、消化機能を損なわない、体温を必要以上に下げず、冷え性の人も取り組めることから、常温もしくは少し冷たい水がおすすめです。
水を飲むとカロリーが消費される理由
水を飲むことでエネルギー消費が増える主な理由は2つあります。
・体温上昇によるエネルギー消費
体は摂取した水の温度を体温(約37℃)まで上げる必要があります。この過程でエネルギーが使われます。
・基礎代謝向上
体内の水分量を適切に保つことは、新陳代謝を促進します。さらに水を飲むと交感神経が刺激され、脳への刺激、基礎代謝が向上します。特に、朝起きてすぐに水を飲むことで代謝を上げる効果が期待できます。
体が十分に水分を摂取していると、代謝過程がより効率的になり、脂肪分解の速度が上がります。
水を飲むことで、満腹感を得やすくなったり、老廃物の排出が促進され、むくみが解消されたり
ダイエットにも水をしっかり飲むことはとても重要です♪
水の消費カロリーの研究
水を飲むことで消費されるカロリーについて、いくつかの研究があります。
ドイツの研究によると健康な男女14名(男性7名、女性7名、平均年齢:平均年齢:29.3±3.7歳、平均体重:69.7±13.6kg)を対象に行われました。被験者には室温(22℃)の水500mLを摂取してもらい、その後のエネルギー消費量の変化を測定しました。
結果:エネルギー消費の増加:水を摂取後、10分以内にエネルギー消費量の増加が始まり、30〜40分後にピークに達しました。平均して、エネルギー消費量は約30%増加し、この効果は約60分間持続しました。
性差:男性と女性の間でエネルギー消費の増加に有意差は見られませんでした。
メカニズム:エネルギー消費の増加の約40%は、水を体温まで温めるための熱産生(サーモジェネシス)によるもので、残りの60%は交感神経系の活性化によるものと推定されました。
https://academic.oup.com/jcem/article-abstract/88/8/3467/2845109?redirectedFrom=fulltext Endocrine Treatment of Transsexual People: A Review of Treatment Regimens, Outcomes, and Adverse Effects
500mLの水を摂取することで、約24kcalのエネルギーが追加されるという結果になりました。
この研究は小規模なものでm参加者の年齢や体質、生活習慣などによって結果が異なる可能性がありますが、水の摂取がエネルギー消費を増加させる可能性を示唆しています。
食前に水を飲むと体重減少効果
バーミンガム大学の研究では、水を飲むことで満腹感が得られ、食事量が減るのかの研究しました。
肥満および過体重の成人84名を対象に2つのグループに分けました。
・食前水摂取グループ:毎食30分前に500mLの水を飲むよう指示されたグループ
・対照グループ:食前に「自分は満腹である」とイメージするよう指示されたグループ
全員が健康的な食事と運動に関する一般的なアドバイスを受け、12週間の介入期間が設けられました
結果:食前に水を飲んだグループは、対照グループよりも平均で約1.3kgの体重減少が見られました。対照グループの体重減少は平均約0.8kgにとどまりました。
研究者は、食前に水を飲むことで胃が部分的に満たされ、満腹感が増すため、食事の摂取量が自然と減少したと考えています。
このシンプルな行動が、体重管理の効果的な戦略となり得ることを示唆しています。
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/oby.21167 Efficacy of water preloading before main meals as a strategy for weight loss in primary care patients with obesity: RCT
水を食前30分前に500ml飲むことで、12週間で約2キロの減少結果が示されています!
こまめに分ければ簡単に取り組め、ダイエットだけでなく健康にも良くメリットがたくさん期待できます♪
水を飲むメリット
水を飲むことには、エネルギー消費量の増加以外にも、様々なメリットがあります。
・血液の循環を促進して血液サラサラに
・酸素や栄養素が体の隅々まで運ばれやすくなり、細胞の活性化や臓器の機能維持
・十分な水分を摂取することで、腎臓の負担を軽減
(腎臓は、血液中の老廃物をろ過し、尿として排出する役割)
・老廃物を排出し、むくみ、便秘を解消する
・免疫細胞の活性化を促し、免疫力を高める
・肌の水分量を保ち、美肌効果を高める
・満腹感を得やすく、食べ過ぎを防止する
・リフレッシュ、リラックス効果
このように、水を飲むことは、美容や健康にも良い影響をもたらします。
水を飲むことによるカロリー消費量は「わずか」であることを頭に入れておきましょう!
大幅なダイエット効果は期待できず、バランスの取れた食事や適度な運動と組み合わせることが大切です。
まとめ
水を飲むことで、わずかですがカロリーが消費されることが研究によって証明されています。
少し冷たい水を飲むと代謝が一時的に上がり、さらに食前に飲むことで食事量を抑える効果も期待できます。
水はダイエットだけでなく、体内の循環や腎機能の向上など健康面でも多くのメリットがあります。
日常生活でも水は手軽に取り入れることができます。
朝起きてから、食事の前に、帰宅後、お風呂前、就寝前など水を飲むタイミングを決めてあげることも
こまめに水分補給するための秘訣になります。
ぜひ、水を飲む習慣を取り入れてみてください♪