ダイエットはもちろん、健康を意識するうえでも
食事面において、何を食べるか、どんな栄養素を取り入れるかを考えることは大切です。
そのうえで、現代では糖質を摂る量を減らす(糖質制限)ダイエット法が主流になっています。
日本人の主食である「米」は非常に消化しやすく、身体を冷やしにくい食材です。
これは効率良くエネルギーを作り、体温や正常な代謝を保ったり、脂肪燃焼を促すため、
健康的に痩せるためにおすすめの食材なのです。
米には白米以外にも、玄米や胚芽米、雑穀米などさまざまな種類があります。
米の違いによって得られる栄養が異なるため
本記事では、お米の種類とダイエットの関係について、解説していきます。
お米の種類
お米は精米過程において、含まれる栄養素が変わってきます。
お米には白米以外にも、玄米や胚芽米、雑穀米などさまざまな種類があります。お米の違いによって得られる栄養が異なることもポイントです。
【白米】
白米は米ぬかや胚芽が取り除かれた状態で、糖質を多く含み
さらにタンパク質やカルシウム、鉄分、ビタミン、食物繊維なども含まれています。
主成分は糖質である「でんぷん」ですが、たんぱく質も6%ほど含まれています。
白米は食べやすく消化効率の良いことが特徴です。
水加減や調理によりおかゆやペースト状にもなりやすく、脂質や食物繊維が少ないため、離乳食や介護食にできるほど、胃腸に負担をかけずに栄養素を摂取することができます。
【玄米】
玄米は稲の実からもみ殻だけを外したもので、米ぬかや胚芽はそのまま残った状態のお米です。
白米よりも栄養分が多く、ビタミンB1・B6、マグネシウム、カルシウムなどのビタミン・ミネラルや食物繊維などが多く含まれています。
玄米は消化に時間がかかるため、食べ慣れていない人が突然大量に食べると、
お腹を壊したり胃もたれや便秘など引き起こしやすくなります。
最初は白米と混ぜて取り入れてみましょう。
【発芽玄米】
わずかに玄米を育てて発芽させたものが「発芽玄米」で、玄米独特の硬さやボソボソとした食感が軽減され、より食べやすいのが特徴です。栄養的にも玄米よりさらに多いとされ、食物繊維・カリウム・カルシウムなどが豊富に含まれています。
玄米でありがちな食べにくさや消化の悪さなどが解消されているうえ、リラックス効果や高めの血圧を安定させるなどの働きがあるといわれている「GABA(γ-アミノ酪酸)」という成分が大幅にアップすることでも注目されています。
【胚芽米】
白米に加え、胚芽の部分が8割以上残るように精米したものを「胚芽米(はいがまい)」または「胚芽精米(はいがせいまい)」と言います。
胚芽とは芽を出す部分のことで、タンパク質・脂質・ビタミン・ミネラルなどの栄養素が凝縮されていて、玄米よりも食べやすく白米に近い食感で食べることができます。
ビタミン・ミネラルや食物繊維といったお米の栄養素は主にぬか層や胚芽部に含まれているため、玄米と比べると多少栄養価は落ちますが、ぬかのにおいや独特の食感がやわらいでおり、白米の食べやすさと玄米の栄養価の高さ、両方をとったような魅力があります。
【雑穀米】
雑穀米とは、白米に加えて玄米・アワ・キビ・もち麦・キヌア・アマランサスなどを混ぜ込んだもので、食物繊維・ミネラル・ビタミン類などの栄養素をプラスできます。混ぜる雑穀の種類や数が異なりますので、プラスしたい栄養素で選択していきましょう。
白米をベースとしているため、比較的食べやすいのが特徴ですが、雑穀は白米に比べると消化があまり良くないため、少しずつ取り入れてみましょう。
【麦ごはん】
麦ごはんは名前の通り白米に大麦を混ぜて炊いたもので、大麦に含まれるタンパク質・ミネラル・ビタミン類・食物繊維などをプラスできます。大麦は白米のように粘り気がなく独特な香りがあります。
大麦の中でも「もち性」のもち麦は、食物繊維が豊富に含まれています。
お米で栄養バランスを整えよう
お米といってもそれぞれに特徴があります。
玄米にすると痩せるという認識が広まっている世間ですが、玄米と白米のエネルギー(摂取カロリー)はほとんど変わりません。
しかし、玄米は栄養価が高く、マグネシウムをはじめとした「ミネラル」や、ビタミンB1、B2をはじめとした「ビタミン」がしっかりと含まれているため、糖質・脂質の吸収/消化を促し、代謝が上がります。食後の血糖値の上昇スピードを表したGI値も白米のGI値は88ですが、玄米は55と低GI食品のため
血糖値の上昇がゆるやかになるため、玄米は太りにくい食材と捉えられます。
白米……消化がよく美味しくお米を食べたい
玄米……栄養価を重視する方
胚芽米……玄米は苦手だけど栄養価は気になる
雑穀米……いつもの白米の栄養価を手軽に取り入れたい
麦ごはん…食物繊維を手軽に取り入れたい
玄米や雑穀米はミネラル・ビタミン類・抗酸化成分が多く、栄養的には素晴らしい食品です。
一方で消化しにくいという大きな問題があります。
いきなり全て玄米食に切り替えると上手く消化・吸収されないことも多いため、
おかゆにしたり、白米に混ぜたりして徐々に慣らしながら、食べ方や取り入れ方を工夫する必要があります。
食物繊維をたっぷり摂取したい人には、麦ごはんもおすすめです。
白米は玄米などと比べるとビタミンB1などのビタミン類とミネラルが少ないですが
食べやすく、意識的に摂取してバランスを整えながらおかずを選べるため、日本人の献立には最適な主食です。
ご飯を食べて痩せる
ダイエット、特に糖質を制限する食事療法では
ご飯の量を減らし、高たんぱく低脂質の食材を取り入れる傾向があります。
確かに、糖質を多く含む炭水化物を減らすことで
体重の数字を落としやすい傾向がありますが、これには水分量が大きく関係しています。
糖質が分解されたグリコーゲンは1gあたり3gの水分を保持しているといわれています。
そのため、糖質の摂取量を減らすことで
がくんと体重が減っているのは、グリコーゲンが含む水分量が減ったため体重が落ちているだけで
体脂肪が減ったわけではありません。
(※運動や食事の組み合わせで、消費カロリーが増え体脂肪燃焼することはあります)
そのため、糖質を含む製品がすべてダイエットに悪いとは言いきれません。
パンやうどんに使われる小麦は、糖質のほか、ビタミンB群・ミネラル・食物繊維なども含んでいますが、小麦粉になると精製の過程で栄養素の多くがそぎ落とされてしまい、ほとんど糖質のみになってしまってしまいます。
さらに、小麦は身体を冷やす傾向があるため、摂りすぎは良くありません。
特にパンには油や糖分などが混ぜられるため、体内で分解しづらく栄養の吸収を妨げる傾向があるため、小麦の摂取量は意識して減らしましょう。
ダイエット時は摂取カロリーを減らせば、痩せられると考え、
カロリーが低い食品を選ぶ傾向が強くなります。
低カロリー食品は、「熱をあまり作れない食品」のため、摂取カロリーを減らすことばかりを意識していると、それに合わせて消費カロリーを少なくするように身体が反応して、体脂肪を燃やしにくくなってしまいます。
体内で熱があまり作れないので、代謝が下がり、身体が冷えて、
血行が悪くなり、頭痛、生理痛、腰痛など身体の不調にもつながります。
摂取カロリーが少ない状態が続くと、脳は飢餓状態だと判断し、
「エネルギー不足で生きていけなくなるぞ!」と省エネモードに入ります。
体脂肪が燃えにくく、蓄積されやすい状態に切り替わり「食べていないのに太る」という状態に陥ります。
日本人の主食である白米にはタンパク質やカルシウム、鉄分、ビタミン、食物繊維なども含まれており
非常に消化しやすく、身体を冷やしにくい食べものです。
効率良くエネルギーを作り、体温や正常な代謝を保ったり、脂肪を燃えやすくしたりすることにつながります。
もちろん、食べすぎは脂肪の蓄積に繋がりますが
摂取量(80~100g)を意識することで、とても効率的な主食となります。
玄米や胚芽米、雑穀米にすることで
さらに栄養を取り入れやすく、身体の代謝も向上しやすくなります。
玄米のほうが、栄養価が高いため、少量で満足しやすくなり、
さらによく噛むため満腹中枢が刺激されやすいため、ダイエット面だけで考えると
白米よりも玄米のほうが痩せやすい傾向があります。
(「kcal/gに差はほとんどない」ことを頭に入れておきましょう!)
白米はおいしいため、ついつい食べてしまう傾向があります。
とくに炊き立ての白米は、小腸や大腸にすぐ吸収されることで、血糖値の上昇が高くなりやすいため
同じ白米でも、冷えたご飯のほうが血糖値の上昇は抑えられます。
とはいっても、食事は人間にとって必要不可欠のものであり
食事を楽しむことは、幸福度をアップさせます。
すべてにおいて、取り入れる・我慢するのではなく
自分の生活に取り入れやすく続けやすいことから、意識してみてください♪