背中は普段見えないから、あまり気にしていない…と考えている人はいませんか?
実は、背中の筋肉を鍛えることは、単に見た目の改善だけでなく、健康面において大きなメリットがあります。
姿勢の改善から肩コリや腰痛の慢性痛の緩和、さらには生活の質の向上など、心身ともに嬉しい影響があります。
本記事では、背中を鍛えることで身体と心に与える健康効果、さらにダイエットについて解説してきます。
背中の筋肉の働き
背中の筋肉は、私たちの身体を支え、動かす上で、姿勢の維持・動作のサポート・呼吸の補助など、私たちの身体活動に欠かせない多くの役割があり、背中の筋肉は個別に働くというよりも、連携して重要な働きを担っています。
【姿勢の維持と改善】
背中の筋肉が弱まると、肩が前に巻き込み、猫背になりやすくなります。とくに、現代社会において、デスクワークやスマートフォンの使用により猫背になる人が増加しています。
猫背は首や肩の筋肉に負担をかけ、肩こりや頭痛、さらには腰痛の原因にもなります。
背中(主に広背筋や脊柱起立筋)を鍛えることで、自然と背筋が伸び、上半身の重心の位置が整いやすくなり、きれいな姿勢が身につきます。
姿勢が整うことで、呼吸機能の向上や内臓への負担が軽減する効果も期待でき、長時間座っていても疲れにくくなるなど、日常生活の質が大きく向上します。
【体幹の安定化】
上半身と下半身をつなぎ、体幹を安定させることで、あらゆる動作の土台となります。
背中の広背筋と呼ばれる体の後ろ側で一番大きな筋肉は、脇の下から腰、骨盤まで広がる扇のような形をしていて、腕を真後ろに引く動作や、体に近づける動きで働き、上半身をしっかり支え、バランスを取るのに役立ちます。
【日常生活のサポート】
引く、持ち上げる、押す、ねじるなど、日常生活やスポーツにおける腕や肩の様々な動作に背中の筋肉は使われており、さらに背中の筋力と柔軟性があることで、腰痛・肩こりの症状の和らげます。
年齢とともに衰える筋力ですが、特に背中や下半身の筋肉が弱まると、転倒リスクが高まります。
背筋力がある人ほど、バランス感覚や姿勢制御能力が高く、活動的な生活を維持しやすいとされており、引く動作や物を持ち上げる動作など、日常生活における様々な場面において中心的な役割を担っているため、日常生活動作の改善の効果もあります。
【呼吸の補助・内臓の働きの正常化】
広背筋などが呼吸運動を補助する役割も果たします。姿勢が崩れることで、内臓が圧迫されて消化不良や便秘を引き起こすことがあります。
背中の筋肉を鍛えることで姿勢が正され、内臓の位置も安定しやすくなるため、胃腸の働きがスムーズになるという副次的な健康効果もあります。
背中の筋肉は、私たちの体を内側から支え、スムーズに動かすための「土台」のようなもので
身体に占める割合が多く、大きい筋肉なので、しっかり動かすことで消費エネルギーが上がり、代謝向上にも繋がります。
背中を鍛えると痩せやすくなる身体に
背中には「広背筋(こうはいきん)」や「脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)」といった、体の中でも特に大きな筋肉が集まっています。
背中の筋肉は、単に見た目を引き締めるだけでなく、身体全体の脂肪燃焼を促し、太りにくい体質のためにダイエットに効率の良い筋肉です。
背中は「大きな筋肉の宝庫」
大きな筋肉を鍛えることで、効率的に筋肉量を増やし、基礎代謝をぐんと引き上げることができます。
背中の筋肉がしっかり使えることで、自然と姿勢が良くなります。猫背などで背中が丸まっていると、本来使うべき筋肉が使われず、体のあちこちに負担がかかり、代謝も低下し脂肪が蓄積しやすくなります。
背中側を鍛えて筋肉に刺激が入ることで、日常のちょっとした動作でも正しい筋肉が使われるようになります。
姿勢が良くなって、日常の消費カロリーUP
背筋が伸びているだけで使う筋肉の量が増え、消費カロリーがアップします。
日常生活を送るだけで、全身の筋肉を効率よく使うことができるようになり、疲れにくい体質、きちんと筋肉が働き代謝エネルギーが高い身体を手に入れることができます。
背筋が伸びて良い姿勢になると、座っている時や歩いている時でさえ、体幹や背中の筋肉が正しく使われるようになり、普段の何気ない動作が、まるで軽いエクササイズのように消費カロリーを増やしてくれるため、意識せずに代謝アップに繋がります。
「褐色脂肪細胞」を刺激して、脂肪燃焼効果
体内には、脂肪を貯め込む「白色脂肪細胞」とは別に、脂肪を燃やして熱を作り出す「褐色脂肪細胞」という特別な細胞があります。
この褐色脂肪細胞は、首や肩、そして肩甲骨の周りなど、背中の上部に多く存在していることが分かっており、 背中のトレーニング、特に肩甲骨を大きく動かすようなエクササイズでは、この褐色脂肪細胞を刺激し、活性化させることができます。
褐色脂肪細胞が活発になると、脂肪の分解と燃焼が促され、効率的に体脂肪を減らす効果が期待できるため、背中の筋トレをすることはダイエットに繋がると考えられます。
「今までと何も変わっていないのに太りやすくなった」と感じる方は、筋肉量が落ちている可能性があります。
背中のトレーニングは見た目以上に“健康的に太りにくい身体”をつくるうえで大切な身体の一部です。
背筋を伸ばした状態を維持できる姿勢は、自信と前向きな気持ちを引き出します。
逆に、猫背や前かがみの姿勢は、気持ちまで沈みがちになってしまう傾向があり、姿勢がメンタルに与える影響は心理学の研究でも裏付けられています。
運動全般に言えることですが、トレーニングによる身体的な変化は、自己肯定感や自信を高め、ストレス解消にも繋がり、精神的な健康にも良い影響を与えます。
簡単!背中エクササイズ
チューブ・ローイング(タオルでもOK!)
これは、背中全体、特に「広背筋」や「菱形筋」といった、物を引き寄せる筋肉を鍛えるのに効果的なエクササイズをご紹介します。
ゴムチューブがおすすめですが、なければフェイスタオルでも代用でき、簡単に取り組むことができるのでスキマ時間にもおすすめです。
- スタートポジション: 床に座り、膝を軽く曲げます。足の裏にゴムチューブ(またはタオル)の真ん中を引っ掛け、両端をそれぞれ手で持ちます。背筋を伸ばし、お腹に軽く力を入れて姿勢を安定させます。
- 引き寄せる: 息を吐きながら、チューブ(タオル)を胸に向かってゆっくりと引き寄せます。肘を後ろに引くように意識し、肩甲骨を背中の中心にグッと寄せるイメージで行いましょう。
- ポイント: 腕の力だけでなく、背中の筋肉で引くことを意識します。肩がすくまないように、リラックスした状態で行いましょう。
- ゆっくり戻す: 息を吸いながら、ゆっくりと腕を伸ばし、元の位置に戻します。チューブ(タオル)の張力が抜けきらない程度で止めましょう。
回数: 10〜15回 × 2〜3セットを目安に行いましょう。
注意点: 背中が丸まらないように、常に背筋を伸ばした状態をキープしましょう。
ダイエットや健康習慣には、継続が大切です。
1日2日では効果は見込めず最低でも1ヶ月は意識してみましょう!
あれもこれもと、意識することが増えてしまうとストレスを感じやすくなるため、まずは1つだけでも簡単に取り組めることを意識することが「継続」から無意識に習慣になりやすくなります。
まとめ
背中の筋肉は、私たちの体を内側から支え、鍛えることは単なる筋トレの効果だけでなく
・姿勢の改善
・代謝の向上
・内臓機能の安定
・メンタルへの好影響と、身体全体にポジティブな効果をもたらします。
ダイエットの効果はもちろん、健康維持においても、背中のトレーニングが重要な役割を果たすことが期待できます。
見逃しがちになる背中ですが、今日から少し目を向けてみてください♪