特に、食事量や生活習慣を変えていないのに太った、、、
コロナ禍で脂肪がついた、、、という方は、非運動性熱産生NEAT(ニート)による
エネルギー消費が少なくなったことが原因の可能性があります。
基本的に、身体の余分な体脂肪を減らすためには
摂取エネルギーよりも消費エネルギーを増やすことで脂肪が燃焼されます。
消費エネルギーといえば、運動して汗をかくこと
と思っている方も多いと思いますが、運動以外でも生活している中で消費されています。
本記事では、代謝のひとつ
非運動性身体活動時代謝(別名、NEAT)を中心に解説していきます。
外に出て身体を動かす以外にも、消費エネルギーを増やすことができるので
ダイエット、生活習慣の見直し、健康のために参考にしてみてください♪
NEATとは?
NEATとはNon-Exercise-Activity Thermogenesisの略称で
日本語では非運動性(活動)熱産生とも呼ばれています。
運動以外の身体活動で消費される活動のことをさし
生活する上で、身体を動かすことで熱を発しているエネルギーのことです。
具体的には、仕事や洗濯・掃除・料理・買い物・犬の散歩・ゴミ出しなどの家事、
子供と遊ぶ・子供の世話、通勤や子供の送迎、買い物など
運動とは呼べないような日常生活活動によるエネルギー代謝全般を指します。
外出自粛やテレワークなどで通勤や会社での動き回りなど
日常の活動が減る=NEATが減っているため
消費エネルギーも少なくなり、食べすぎなくても太ってしまいます。
総エネルギー代謝の内訳
総エネルギー消費量(1日あたり)は、
基礎代謝量(約60%)・食事誘発性熱産生(約10%)・身体活動量(約30%)の
3つで構成されています。
基礎代謝とは、人間が無意識に行っている生命活動で必要になるエネルギー代謝で
体温維持、心臓や呼吸など、人が生きていくために消費しているエネルギーのことを指します。
食事誘発性熱産生とは、
食べたものを体内に吸収するため栄養素を分解する行程で
消化吸収活動で体熱となるエネルギーのことを指します。
身体活動の代謝は大きく2つに分けることができます。
①ジョギングなどの身体を動かす運動によるもの
②家事なども日常の活動の中で生じるもの
本記事で解説しているNEAT 非運動性活動熱産生は
身体活動の②家事なども日常の活動の中で生じるもの に当てはまります。
運動で消費されるエネルギー量は、体格、活動強度、活動時間によって決まり
個人差が激しくみられます。
運動で消費エネルギーを生み出すことは、思っているよりも難しくハードルが高いです。
体重や走る速さによって変わりますが、
一般的なジョギングで30分間走る場合、200~280kcal程度の消費カロリーが見込まれます。
国際スポーツ栄養学会誌によると、
非活動性熱産生は1日の総消費エネルギーのおよそ15%といわれています。
つまり、
成人男性の総エネルギー(1日)が2500kcal→375kcal
成人男性の総エネルギー(1日)が2000kcal→300kcal
となるため、消費エネルギーの視点では
NEATで同じエネルギー代謝を消費するためには、
30分以上のジョギング運動を毎日続けるのは、なかなか難しいものです。
そこで最近注目されているのが、NEATなのです。
特別な運動をしなくても、NEATを増やせば、肥満や糖尿病、メタボリック・シンドロームなどを防げることが分かってきました。
NEATと健康の関係
1日の中で座って過ごす時間と病気で死亡するリスクの関連を調べた研究では
1 日の合計座っている時間が長いほど、全死因死亡のリスクが高くなり
座って過ごす時間が0〜3時間のときの死亡率が1.00だとすると、3〜7時間以上で1.02、7時間以上で1.05にリスクが上昇することがわかっています。さらに、1日に10時間以上座っている人では死亡率が34%も増加すると
毎日の座っている時間と総死亡率: メタ分析 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24236168/
示唆されている
1日に6時間座る生活を続けていると、たとえ日常的に運動をしていたとしても
1日に3時間しか座らない生活の人に比べて15年以内に死ぬ確率が40%増えると考えられ
リスクを回避するため、
日常の中で「座る時間を減らすこと」を心がける必要があります。
実際に、
デスクワーク中心の人は立ち仕事中心の人に比べて心血管リスクが2倍、
また糖尿病のリスクが上昇の報告もあるため
日常生活活動を積極的に行うことが、健康への近道だと思います。
さらに、NEATと肥満の関係についても研究がいくつも発表されています。
肥満の人と痩せた人の動きを10日間計測したところ
肥満の人と細身の人を比較したときに、肥満者では座って過ごす時間が
1日あたり平均150分も座っている時間が長く、これは350kcalに相当するNEAT時間が少ない人ほど、肥満になる可能性が高いと考えられる
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/15681386/ 人間の肥満における役割の可能性
肥満の人は、ソファに座ってテレビを見て、
全て手の届く範囲にスマホやお菓子を置き、動かなくていい状態を作っていることが多い傾向があります。
ティッシュをとるために、わざわざ立ち上がることも、
NEATを増やす方法の一つであり、活動を積極的に行っていることになります。
ささいなことに対して、身体を使うことは肥満予防の策となります。
NEAT 非運動性活動熱産生 を増やそう
NEATは特に意識しなくても毎日消費エネルギーが発生します。
NEATには家事や育児、職場での軽作業が含まれるので、
生活の延長線上に効率的に増加させることが可能で、肥満防止に効果的です。
近年、お家時間が長くなり
必然的にNEAT 非運動性活動熱産生が少なくなっていることで
肥満傾向が多くみられます。
この対策としては
運動を始めるよりも、日常生活における身体活動時間を増やすことを
意識することで、消費エネルギーが増え、脂肪燃焼が期待できます。
活動の低下に伴って
使わない部分の筋肉量が減ってしまったり、筋膜の硬直が起こって柔軟性が低下し、
身体が硬くなり上手く循環が巡らずに、ケガを引き起こすことが考えられます。
立っているだけでも、姿勢維持のため多くの筋肉が活動し
代謝を上げることができるため
できるだけ細やかに動くことで、消費エネルギーは増えます。
- バスや車などを使わず歩く。
- エレベーター、エスカレーターの代わりに階段を使う。
- PC作業中でも、1時間に一回は背筋を伸ばす。
- 家事や歯磨きの際に膝の屈伸を行う
など、日常の生活行動に少しの意識、無駄に身体を動かすことを心がけることで
代謝が上がり、肥満の防止や動脈硬化の予防にもつながります。
まとめ
現代では、様々な技術が発達しているため
時短などで、今までよりも家事など楽に行うことができ
身体を動かす機会が少なくなってきています。
空いた時間を有効活用することは
心身ともに余裕が生まれるため、健康へも好影響です。
しかし、空いた時間を寝ころびながらテレビを観たり
一日ベッドの上で、ダラダラの生活ばかり送ってしまうことは
筋肉や代謝の上で、健康を損ないやすくなるということを頭に入れておきましょう。
たまになんにもしない日という休息は問題ないですが
メリハリのある生活活動を送ることは、消費エネルギーが増えていきます。
運動しなきゃ!という意識よりも、
ベッドや椅子でじっとして過ごす時間を減らす などのちょっとした心がけで
NEATの消費カロリーを増やすことができます。
できることから始めてみましょう♪