近年、健康志向の高まりとともに「筋肉にはたんぱく質が重要」という認識が広がっています。たんぱく質は3大栄養素の一つで、ヒトの身体に必要なエネルギー源となる栄養素の一つです。
筋肉や臓器、皮膚、髪の毛など体の組織の材料にもなり、たんぱく質が不足することで、筋力の低下やそれに伴う消費カロリーの低下など、さまざまな悪影響が起こります。
たんぱく質の役割は、身体の構成要素(筋肉、皮膚、髪の毛、骨など)が大部分で
さらに、エネルギー源・酵素とホルモンの生成・免疫機能の支援・神経伝達物質の前駆体など身体の機能に影響を与えます。
さらに、たんぱく質は体の構成要素として必要不可欠であり、
筋肉、皮膚、髪の毛、骨などの主要な構成成分で体重の約17%を占めています。
細胞や組織を形成する基本的な材料となり、筋肉の成長と修復において重要な役割を果たします。
本記事では、筋肉とたんぱく質の焦点をあてて
「Q&A 筋肉のために、たんぱく質はどれくらい摂取すればいいの?」にお答えしていきます。
適切なたんぱく質の摂取量や効果的な摂り方を理解してより良い食生活を目指しましょう。
筋肉とたんぱく質の関係
たんぱく質は筋肉の主要な構成要素であり、
筋肉、皮膚、髪の毛、骨などの主要な構成成分で体重の約17%を占めています。
細胞や組織を形成する基本的な材料となり、筋肉の成長と修復において、筋肉を合成するためには不可欠な栄養素です。
筋肉の合成は、運動による筋繊維への刺激とたんぱく質の摂取の両方によって促進されます。
特に、運動後にたんぱく質を摂取することで、筋肉の修復と成長が促進されます。
筋トレは、筋肉の負荷のよる修復過程で筋肉の成長を促します。
筋出力を高めるトレーニングのため、筋肉は刺激されると多くのたんぱく質を吸収します。
たんぱく質を吸収することで、新たな筋肉を合成し、強化されます。
この新たな筋肉を合成する作用を同化作用と言い、同化作用が起こるときに新しいたんぱく質が十分にあることで、しなやかで良質な筋肉がたくさん合成されて筋肉量を増やすことができるのです。
そのため、筋トレをする際は、十分なたんぱく質を摂取することが大切です。
逆に偏った食事ではたんぱく質が足りず、その結果、筋肉が分解されてしまい、筋トレしても十分に筋肉の合成がおこなわれません。
どれくらいタンパク質は必要なの?
成人男性は1日あたり65g、女性は50gのたんぱく質摂取が推奨されています。
これは、体の基本的な機能を維持するために必要な量であり、筋肉の合成や修復のためには、推奨されている量以上のたんぱく質が必要です。
筋肉を増やすためには、体重1kgあたり1.2〜2.0gのたんぱく質が必要とされています。
特に、筋トレを行う際には、筋肉の合成を促進するために、十分な量のたんぱく質を摂取することが重要です。
運動の強度に応じて、必要な摂取量は変わりますが、軽い筋トレを行う場合でも、体重1kgあたり1.2〜1.4gの摂取が推奨されています。
摂取量や1日あたりのグラムを述べられていても、よくわからない、具体的にどれくらいなのか想像できないというお声が多いため、具体的な目安をご紹介します。
たんぱく質は一度に大量に摂取することができないため、食事は小分けにして摂取することが重要です。
例えば、朝・昼・夕の食事ごとに20gずつ摂る目安にすることで、体内のたんぱく質が十分ある状態を維持することができます。
たんぱく質に焦点をあてた、1日の食事の簡単な例を参考にしてみてください♪
【朝食 (約20g)】
納豆: 1パック(約50g) → 8.3g
ゆで卵: 1個(約50g) → 6.3g
牛乳: 200ml → 6.8g 合計: 約21.4g
【昼食 (約25g)】
鶏むね肉(皮なし): 100g → 24.4g
ごはん: 150g → 4.5g
豆腐の味噌汁: 豆腐50g → 3.5g 合計: 約32.4g
【夕食 (約25g)】
焼き魚(サンマ): 100g → 20.0g
ひじきの煮物: 50g → 2.5g
玄米ご飯: 150g → 4.5g 合計: 約27.0g
一日の合計 総合計: 約80.8g
動物性と植物性のたんぱく質をバランスよく摂取すること、3食に分けて均等に摂取することで、身体に必要なたんぱく質を効率よく吸収できます。
日常で取り入れやすい、たんぱく質豊富な食材は覚えておきましょう♪
・動物性:鶏むね肉(31g/100g)、卵(6g/1個)、牛乳(6.8g/200ml)
・植物性: 豆腐(6.6g/100g)、納豆(8.3g/1パック)、アーモンド(20g/100g)
とくに卵は取り入れやすい食材です。大きさや調理法によって多少異なりますが、卵は高品質なたんぱく質を含み、筋肉作りに適した食材です。
ゆで卵1個(Mサイズ、約60g)のたんぱく質量は約6~7g
生卵はゆで卵とほぼ同じ量のたんぱく質を含みますが、熱を通すことで吸収率(消化吸収されるアミノ酸の割合)が若干向上するため、運動後にはゆで卵がおすすめです!
たんぱく質を多く摂れば良いというわけではなく、過剰なたんぱく質の摂取は、肝臓や腎臓に大きな負担をかけます。
たんぱく質(アミノ酸)の分解過程で生成される窒素が、肝臓で無害な尿素に変換され、腎臓を通じて排出されます。この過程が過剰になると、内臓疲労を引き起こし、倦怠感や疲労感をもたらす可能性があります。
特に、腎機能に問題がある人は、たんぱく質の過剰摂取に注意しましょう。
食物とドリンクの違い
たんぱく質を摂取する方法には、食材からの摂取とドリンクからの摂取があります。
それぞれの吸収過程のちがいやメリットがあります。
【食材からのたんぱく質摂取】
食材から直接摂取するたんぱく質は、肉、魚、卵、などの動物性は必須アミノ酸をバランスよく含んでおり、体に必要な栄養素を効率的に摂取できます。豆類などの植物性にもたんぱく質は豊富に含まれ、これらはビタミンやミネラルも豊富です。
固形の食材は咀嚼するため、満腹感を得やすく、食事全体のバランスを考えやすいです。
食材からのたんぱく質摂取には、たんぱく質だけでなく、脂質や炭水化物、ビタミン・ミネラルも含まれるため、栄養素のバランスを整えることができます。
【ドリンクからのたんぱく質摂取】
プロテインドリンクや栄養補助飲料は簡単に持ち運べ、忙しい時でも手軽に効率よく、たんぱく質を摂取できます。
ドリンクタイプは消化が早く、運動後などに迅速にエネルギー補給におすすめです。運動後のプロテインドリンクを飲むことは、効率よく筋肉の回復を促します。
近年の多くのプロテインドリンクにはビタミンやミネラルが追加されており、特定の健康ニーズに応じた栄養補給も可能になっています。
ただ、満腹感は低くなるため、つい食べてしまうカロリーオーバーには気をつけましょう。
タンパク質×筋力
早稲田大学で行われた最近のメタアナリシス研究によると、たんぱく質摂取量と筋肉増加には明確な正の相関関係があることが示されています。
具体的には、体重1kgあたり約1.5gのたんぱく質を摂取することで、筋力が増強されることが確認されました。特に、1日当たり0.1gのたんぱく質を追加するごとに、筋力は約0.72%向上することが分かっています。
この研究は、たんぱく質摂取が筋力トレーニングと組み合わせることで、より効果的に筋力を増強することを示唆しています。
https://www.waseda.jp/fsps/rcsports/news/2022/11/24/1282/ たんぱく質摂取と筋力トレーニングによる筋力 (筋肉が発揮する力)増強効果を、メタアナリシスを用いた詳細な用量反応解析で解明
以上の結果から、筋肉増加にはたんぱく質は欠かせない栄養素であり、
日本人においても、筋トレをした場合はたんぱく質量1.5gは必須であると考えます。
また、たんぱく質を摂取するだけではなく、筋トレという刺激が筋肉を増やす同化作用を最大化することも確認できました。
Q&A
Q、 筋肉のために、たんぱく質はどれくらい摂取すればいいの?
A、筋肉を増やすためには、体重1kgあたり1.2〜2.0gのたんぱく質が必要です。
個人の体重や生活習慣によっても適量なたんぱく質摂取量は異なります。
といっても、ピンとこない方は自分の体重の1.5倍を摂ることを意識してみましょう!
1日に分けて摂取することがポイントで、運動した場合は、筋肉の合成を促すために運動後45分以内にたんぱく質を20g(ゆで卵やプロテイン)摂取がおすすめと言われています。
筋肉をつけるためには、体重や運動量に応じたたんぱく質が必要す。
ただし、摂りすぎや栄養の偏りには注意し、3食タイミングでバランスよく摂ることを心がけましょう。